コアントローとは?
コアントローはオレンジリキュールの銘柄の1種です。
古くからホワイトキュラソーの定番として愛されており、
「バーには必ずあるべきリキュール」
とまで言われています。
今回はカクテルにおけるコアントローの使い方とそのレシピを紹介していきたいと思います。
コアントローの飲み方としては少し珍しい、ロングカクテルのレシピも多数載せてみました。
スタンダードのカクテルしか飲んだことがないという方、必見です。
コアントローはどのような味がするのか?
カクテルのレシピの紹介の前に、コアントローはどのような味がするのか?ということについて説明したいと思います。
まず香りについて。
コアントローは複数種類のオレンジを原料としたリキュールです。
その香りはオレンジの豊かな風味が特徴となっています。
スッキリとしていながらも、華やかで多層的な香りです。
次に味について。
フルーツのリキュールといえば甘味がしっかりと付いているものが多いですが、コアントローはジンやウォッカなどのスピリッツに近いドライな味わいとなっています。
甘味はほのかで自然な印象。
雑味はほとんど感じず、クリアな風味のリキュールだと言えるでしょう。
まとめると、コアントローはスッキリした甘さと豊かなオレンジの香りが特徴のリキュールということですね。
どちらかというと味より香りがメインの要素となるリキュールです。
その透き通るような豊かな香りは、カクテルにフレッシュ感を与えてくれます。
コアントローの使い方
次に、カクテルにおけるコアントローの使い方についてみてみましょう。
コアントローが主に使われるのはショートカクテル。
古くからあるスタンダードのレシピにも多数組み込まれています。
そのクオリティの高い味から、世界中のバーでオレンジリキュールのベンチマークとして使用されています。
他のリキュールも悪くないのですが、コアントローと比べるとどうしても少し見劣りしてしまうんですよね。
なので、レシピに「ホワイトキュラソー」または「トリプルセック」と記載されているものは、基本的にコアントローを使うのがオススメです。
無闇に他の銘柄を使うより、ずっと賢い選択肢だと言えます。
コアントローを使ったカクテルは、オレンジの爽やかな香りに満ちた仕上がりとなります。
コアントローを使ったカクテルのレシピ
それでは、コアントローのカクテルレシピを紹介していきたいと思います。
特にコアントローのロングカクテルを飲んだ事がないという方は必見。
意外と美味しいカクテルがたくさんありますよ!
サイドカー
【材料】
ブランデー 30ml
コアントロー 15ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
材料をシェイカーに入れ、優しくシェイクする。
コアントローを使ったカクテルの代表格であり、バーでの定番。
ブランデーの深みのある味にコアントローのフレッシュ感が加わった、絶妙なバランス感を持つ味のカクテルです。
サイドカーはシェイクの技術1つで味が大きく変わるカクテルとしてもよく知られています。
スタア・バー、オーナーバーテンダーの岸久氏が作るサイドカーがいい例ですね。
「インフィニティーシェイク」という独特の振り方で作られるサイドカーは、国内外から高い評価を得ています。
サイドカーの考察記事にレシピを載せていますので、みなさんも参考にして作ってみてはいかがでしょうか?
ホワイトレディ
【材料】
ジン 30ml
コアントロー 15ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
材料をシェイカーに入れシェイクする。
こちらも定番。
キリッと引き締まったシャープな風味と柑橘の香りが心地よいカクテルです。
シンプルなレシピですが、それ故にこだわり甲斐のあるカクテルでもあります。
バーで楽しむのも自宅で作るのも、どちらもオススメです。
シェイクで作るカクテルの入門用としてもいいですね。
このようなスピリッツ+コアントロー+レモンジュースの組み合わせは、ショートカクテルの定番となっていますね。
ベースをウォッカに変えると「バラライカ」、ラムに変えると「XYZ」というカクテルになります。
コアントローとレモンジュースさえ用意していれば、色々な味を楽しめるというわけですね。
このカクテルの詳しい話についてはこちらの記事をどうぞ。
私なりに美味しい作り方を考えてみました。
マルガリータ
【材料】
テキーラ 30ml
コアントロー 15ml
ライムジュース 15ml
塩 (スノースタイル)
【作り方】
カクテルグラスを塩でスノースタイルにする。材料をシェイカーに入れシェイクする。
テキーラとライム、それに塩と相性のいい素材同士を組み合わせたカクテル。
なかなか飲みごたえのある味ですが、余韻はライムの酸味ですっきり。
塩のアクセントも心地よい感じです。
テキーラ特有のクセもオレンジやライムの香りに溶け込んで、魅惑的な風味となっています。
テキーラカクテルの代表格なので、ぜひ味わってみてください。
コスモポリタン
【材料】
ウォッカ 30ml
コアントロー 10ml
クランベリージュース 10ml
ライムジュース 10ml
【作り方】
材料をシェイカーに入れシェイクする。
「国際人」の名を持つカクテル。
アメリカのドラマ、「セックスオンザシティ」に登場したことで、話題を呼んだカクテルです。
華やかな風味と甘味のある味で、特に女性に人気です。
色も綺麗で、スイスイと飲んでしまいそうになりますが、意外とアルコール度数は高いので注意です!
サイレントサード
【材料】
スコッチウイスキー 30ml
コアントロー 15ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
材料をシェイカーに入れシェイクする。
サイドカーのブランデーをスコッチウイスキーに変えたカクテル。
あまり有名なカクテルではないですが、私が大好きなレシピなので紹介してみました。
スコッチの風味に柑橘の味わいが加わることで、若々しいイメージの味となります。
スモーキーな味わいのあとに、ほんのりと甘く香るオレンジに心が癒されますね。
使用するスコッチはブレンデッドのものが無難ですね。
定番のバランタインファイネストなんかいかがでしょうか?
適度なスモーキーさがあるものがマッチすると思いますので、お気に入りの銘柄で合いそうなものがあったら、どんどん試してみてください。
コアントロートニック
【材料】
コアントロー 1/4
トニックウォーター 3/4
【作り方】
グラスに氷を詰めてコアントローを注ぎステアする。トニックウォーターを静かに注ぎ、軽く再ステアする。
定番のショートカクテルをあらかた紹介しましたので、ここからはロングカクテルを紹介します。
まずはコアントローをシンプルにトニックで割ったカクテル、コアントロートニックです。
お手軽にコアントローをロングカクテルで楽しみたい方はピッタリの飲み方。
豊かな柑橘の風味を、余すところなく堪能することができます。
シンプルなカクテルと侮るなかれ。
生のオレンジにそのままかぶりついたようなフレッシュさがありますよ。
ちなみに合わせるトニックは、コアントローの風味を引き立ててくれるウィルキンソンがオススメです。
コアントローミュール
【材料】
コアントロー 50ml
フレッシュライムジュース 10ml
ジンジャービア (またはジンジャーエール) 100ml
ライム くし切り1/4
【作り方】
グラスに氷を詰めて材料を注ぎステアする。くし切りのライムを飾る。
スタンダードカクテルの「モスコミュール」のアレンジカクテル。
ウォッカではなくコアントローを使うことで、爽やかな風味あふれるカクテルとなりました。
飲み口は意外にも軽やか。
ジンジャーの刺激とオレンジの香りで、なんともいえない心地良さを感じることができます。
スタンダードのモスコミュールのレシピを知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
味を高めるための工夫や、アレンジ方法も合わせて紹介しています。
コアントローフィズ
【材料】
コアントロー 50ml
フレッシュライムジュース 20ml
炭酸水 100ml
ライム くし切り1/4
【作り方】
グラスに氷を詰めてコアントロー、ライムジュースを注ぎ、炭酸水で満たす。くし切りのライムを飾る。
コアントローにフレッシュのライムをたっぷりと加えたカクテルです。
ライムのみずみずしい香りと酸味で、爽快感にあふれる仕上がりとなっています。
オレンジとライムが混ざり合った、突き抜けるような風味はその日の一杯目にはピッタリ。
自然な甘さのカクテルなので、食事にも違和感なく合わせることができますね。
コアントローフィズ ストロベリー&ミント
【材料】
コアントロー 50ml
フレッシュライムジュース 15ml
イチゴ 5個
ミントの葉 3枚
炭酸水 50ml
【作り方】
ボストンシェイカーにイチゴとミントを入れて潰し、コアントロー、ライムジュースを加える。氷を詰めてシェイクする。氷を入れたグラスに漉しながら注ぎ、炭酸水で満たす。お好みでミントの葉を飾る。
コアントローとフレッシュなイチゴのペアリング。
フレッシュの素材をふんだんに使った、とても贅沢なカクテルです。
ストロベリー、ライム、ミント、そしてオレンジとさまざまな風味が入り混じっていますが、ピシッと芯の通った味わいとなっています
この一体感は間違いなくコアントローのおかげでしょう。
他にもフレッシュなイチゴを使ったカクテルを見てみたい方はこちらの記事もどうぞ。
ファンタスティックレマン
【材料】
日本酒 50ml
コアントロー 30ml
キルシュワッサー 10ml
レモンジュース 10ml
トニックウォーター Full up
ブルーキュラソー 1tsp
【作り方】
日本酒、ホワイトキュラソー、キルシュワッサー、レモンジュースをシェイカーに入れシェイクする。氷を詰めたグラスに注ぎ、トニックウォーターで満たす。最後にブルーキュラソーを沈める。
少し珍しい日本酒を使ったカクテルです。
考案者はバー「TENDER」の上田和男氏。
スイスにあるレマン湖をモチーフとしたカクテルです。
このカクテルのベースは日本酒ですが、味の核となっているのはコアントローです。
日本酒はその味を包み込んで、ふくよかさを出すのに一役買っています。
さまざまなフルーツの味と香りが不思議と調和している、均整のとれたカクテルですね。
日本酒を使ったカクテルのレシピは意外と多く存在しています。
別記事で紹介しているので、興味のある方はご覧になってみてください。
タンピコ
【材料】
カンパリ 40ml
コアントロー 30ml
フレッシュレモンジュース 20ml
トニックウォーター Full up
【作り方】
グラスに氷を詰めて材料を注ぎステアする。
お次はカンパリとの組み合わせ。
カンパリは原材料にオレンジを使っているため、オレンジジュースと相性がいいことが知られています。
ということは、オレンジの風味を持つコアントローとも相性抜群というわけです。
このカクテルは、夏の太陽を彷彿させるような陽気な味わいです。
スプモーニに少し似た味ですが、それよりずっと飲みごたえがあるカクテルとなっていますね。
カンパリを使ったカクテルのレシピをもっと知りたいという方は、こちらの記事を。
定番のカクテルから、少し変わったレシピまで色々紹介しています。
コアントローコールドブリュー
【材料】
コアントロー 40ml
水出しコーヒー 80ml
ココナッツミルク 20ml
オレンジの皮 (お好みで)
【作り方】
材料をシェイカーに入れシェイクし、氷を入れたグラスに注ぐ。お好みでオレンジの皮を飾る。
少し珍しいコーヒーカクテルのレシピを紹介します。
このカクテルに使うのは水出しのコーヒー。
オシャレな言い方でいうと「コールドブリュー」ってやつですね。
水出しコーヒーは雑味の少ない澄んだ味わいを持っているので、カクテルに最適。
他の材料の味をクッキリ残したまま、その香りと苦味を味わうことができます。
このカクテルは上質なフレーバーコーヒーのような、調和感のある味を持っています。
余韻にはほのかな苦味と甘み、そして爽やかなオレンジの風味が香り、私たちをリラックスさせてくれます。
水出しコーヒーは自宅でも簡単に淹れることができます。
作り方や豆の選び方について記事を書いてあるので、参考にして作ってみてはいかがでしょうか?
かすみ草
【材料】
コアントロー 30ml
カカオホワイト 30ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
材料をシェイカーに入れシェイクし、クラッシュドアイスを入れたグラスに注ぐ。
コアントローを使ったミストスタイルのカクテル。
考案者はソルクバーノで有名な木村義久氏です。
甘酸っぱく、柑橘の豊かな香りに満ちた仕上がりとなっており、カカオの風味でデザート感も出ています。
ざっくり言うと、酸味の効いたレモンチョコレートのような味ですね。
クラッシュドアイスを使っているので、キリッと冷えていて心地よい味わいです。
木村義久氏のオリジナルレシピは再現しやすく、シンプルに美味しいものが多い印象ですね。
まさに質実剛健、といった感じです。
この他のレシピを知りたい方は、木村義久氏のカクテルブックをぜひご覧になってみてください。
コアントローのバリエーション
コアントローには基本の銘柄以外にも、数多くのバリエーションが存在します。
それぞれの味の違いと、使い方について解説したいと思います。
コアントロー
基本となるスタンダードな銘柄です。
今回紹介したカクテルのレシピは、全てこちらのボトルを使って作っています。
世界中でホワイトキュラソーのベンチマークとして使用されているほどの、クオリティの高い味わい。
やはり他のリキュールと比べると、オレンジの香りの伸びの良さが違うんですよね。
カクテルに程よいシャープさとフレッシュさを与えてくれる、バーには欠かせない一本です。
コアントロー54°
コアントローで作るカクテルに少し変化が欲しい、という方はこちらの製菓用コアントローを使ってみてはいかがでしょうか?
このコアントローは通常のものより香り成分が強めとなっています。
そのため、カクテルに使用すると突き抜けるようなオレンジの香りに満ちた仕上がりに。
スタンダードなカクテルに変化をもたらす手段としては、なかなか面白いと思います。
先ほど紹介した、「ホワイトレディ」に使用すると個性的なカクテルとなりますね。
ぜひ一度お試しください。
コアントローノアール
2016年から発売されているコアントローの新商品。
こちらはコアントローにブランデーの「レミーマルタン」をミックスし、クルミとアーモンドを漬け込んで作られたものです。
通常のコアントローと比べると、風味は複雑で円熟感があります。
甘口なので、グランマニエなどのオレンジキュラソーに近い味わいですね。
これは、サイドカーのアレンジに使ったりすると面白いかもしれませんね。
丸みを感じる味わいなので、ロックで飲むのもオススメ。
甘みのあるコアントローを飲んでみたい方、また創作カクテルに珍しい材料を使ってみたい方は試してみてはいかがでしょうか?
さいごに
やはりコアントローは、定番のリキュールなだけあって、色々と幅広く使うことができますね。
一本あるとカクテル作りの幅が広がるので、もしもまだ手にしたことないという方がいたら、手元に置いておくことをオススメします。
特にスタンダードのショートカクテルを作る際には必須ですね。
最初はホワイトレディやサイドカーから。ぜひ作ってみてください!
この他のフルーツ系リキュールのオススメ銘柄については別記事にまとめてあります。
美味しい飲み方も合わせて紹介してますので、ぜひ参考にしてください!
「カクテルの作り方を詳しく知りたい!」
「いろいろなレシピを知りたい!」
という方はカクテルブックを一冊持っておくのがおすすめですよ。
私が活用しているカクテルブック一覧はこちら。
初心者~上級者向けまでいろいろ使っています!