ニッカウイスキーが作り出した異色のジン「ニッカ カフェジン」
ウイスキーメーカーとして有名なニッカウイスキーが、ジンを作っていることをあなたはご存知でしたか?
今回は、ニッカウイスキーからリリースされた異色のジン、
「ニッカカフェジン」
について書いていきたいと思います。
2017年に販売が開始された新しめのジンなのですが、早くも話題となっている一本。
その特徴、味わい、おすすめの飲み方について解説していきます!
ニッカカフェジンってどんなジン?特徴とその製法について
日本のウイスキーメーカーとして、業界をリードし続けてきたニッカウイスキー。
そんなニッカが無個性なつまらないジンを出すわけないですよね。
カフェジンは数あるジンの中でも、かなり個性的な仕上がりとなっています。
主な特徴は次のとおり。
・原料由来のふくよかな甘み
・しっかりとしたボディ
・森林のような清々しい香り
・鮮烈な山椒のフレーバー
まずは、それぞれの特徴について詳しくみてみることにしましょう。
カフェ式蒸留機により生み出される、ふくよかな甘み
カフェジンの「カフェ」とはどういう意味なのか?
Cafe?それともCoffee?
正解は「Coffey」
カフェスチルという蒸留機を使っていることから、その名が付けられています。
カフェスチルで蒸留されたスピリッツは、原料の風味がほどよく残るのが特徴。
カフェジンの場合は、穀物の豊かな甘みが感じられますね。
カフェスチルは、いうなれば「古めかしい」蒸留機です。
扱いも難しく、生産効率もよくありません。
それでも大事に使い続けてるというのは、その味への深いこだわりがあるのでしょうね。
初夏の森林のような、すがすがしい香り
カフェジンの香りには、森林のようなすがすがしさがあります。
それでは、その香りはどうやって作られているのか?
それについては、やはり製造に使われるボタニカルを見てみるのが一番でしょう。
ということで、カフェジンに使われるボタニカルは次の通り。
・ニッカ カフェジンのボタニカル
ジュニパーベリー、ゆず、かぼす、甘夏、山椒、シークヮーサー、アンジェリカ、リンゴ、コリアンダーシード、オレンジピール、レモンピール
日本の素材と、伝統的な素材を組み合わせた、計11種類。
これらのボタニカルを、素材の特性に合わせて3つに分けて蒸留します。
ボタニカルを分けて蒸留という手法は、同じジャパニーズジンである、季の美でも取り入れられてましたね。
そうしてできあがった原酒を、2種のベーススピリッツとともにブレンド。
ここで味のバランスが取られるわけですが、その作業は困難を極めます。
個性的ながらバランス感のある風味。
それはウイスキー作りで培った、高いブレンド技術によって生み出されているのです。
カクテルにしてもへこたれない、ボディのある味わい
カフェジンは力強い味わいを持っています。
とにかく、味わいが濃いというのがストレートな感想。
なので、カクテルにしてもしっかりとその風味を感じることができます。
ギムレットやジンリッキーのベースとして使うとよく分かりますね。
激しいシェークや、ソーダでの希釈もなんのその。
個性的でありながら、さまざまな飲み方に適応する寛容さも持ち合わせています。
強く主張する、山椒のフレーバー
カフェジン最大の特徴が、その強い山椒の風味です。
最初に飲んだときには、ちょっとびっくりするくらい山椒。
アクセント、というレベルじゃありません。
誰が飲んでも分かるくらい、前面に押し出されています。
ジンに山椒というと「ほんとに合うの?」といった感じですが、意外なほどにマッチします。
これほどまでに1つのフレーバーを際立たせるのは、挑戦的な試みだと言えますね。
ニッカ カフェジンはどんな味がするのか?テイスティングレビュー
ということで、特徴が分かったところで実際に飲んでみてレビューをしていきます。
まずは、常温ストレートでジン本来の味を確かめてみましょう。
…まろやかで甘い…!
と思ったら、スパイシー!
めっちゃ山椒だこれー!!
いやー、これはちょっと驚きですね!
山椒の風味がかなり強いです。
でも、それでいて全体のバランス感は絶妙。
なんだか不思議な感じですねこれ。
甘さはかなり強め。
錯覚かもしれないですが、リンゴジュースくらいの甘さがあるんじゃないか?って感じです。
もちろん自然にスッと引いていくので、甘ったるいのとはちょっと違いますね。
香りはもう最高のひとこと。
ほのかなフルーティさに、森林のような清々しさ。
山椒のピリッとした香りがいいアクセントになってくれています。
【結論】
カフェジンはそのまま飲んでも十分に美味しいジンである。
粗悪なジンにありがちな、引っかかるような雑味はまったく感じません。
純粋に酒質がいいのでしょうね。
スパイシーなのは好みが分かれそうですけど、ハマる人は強烈にハマるだろうな〜といった感想です。
ニッカカフェジンのカクテル、色々な飲み方を試してみました!
ジンの真価はやはり、カクテルにあります。
ということで色々なカクテル、飲み方を試してみました。
おすすめ度とともに、感想をレビューしたいと思います。
ストレート
おすすめ度 ★★★★☆
まずおすすめしたいのは、先ほども紹介したストレートでの飲み方。
ストレートで違和感なく飲めるジンというのはそれほど多くないですよね
ですが、カフェジンは問題なくいけます。
むしろ、存分に風味を楽しみたいならこれがベストなのでは?といったところ。
冷やしても香りがしっかりしているので、常温から冷凍までお好みでどうぞ。
ロック
おすすめ度 ★★☆☆☆
次にオン・ザ・ロックでの飲み方を試してみました。
氷が入るとスパイシーさが増して、いっそうドライな味わいに。
アルコールの当たりは少しキツくなるので、持ち前のふくよかさが失われているのが少し惜しいところ。
お酒らしい、刺激的な味わいを求める方向けの楽しみ方ではないかと思います。
水割り (ハーフロック)
おすすめ度 ★★★★☆
【材料】
カフェジン 適量
ミネラルウォーター 適量
(1:1の分量がおすすめ)
【作り方】
氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする。
ロックだと私には刺激が強すぎるかな?と思ったので、ジンと同量の水で水割りにしてみまさした。
これでもそこそこの度数はあるのですが、かなり飲みやすくなりましたね!
カフェジンの甘さ、風味もよく引き立っています。
ストレート、ロックだとキツい!という人や、気軽に飲みたいときにいいですね。
水の分量が多すぎると物足りない味になってしまうので、1:1がおすすめですよ。
ジントニック
おすすめ度 ★★★★☆
【材料】
カフェジン 45ml
ライム 1/4個
トニックウォーター Full up
【作り方】
氷を入れたグラスにカフェジンを注ぎ、ライムを絞る。
ステアした後にトニックウォーターで満たして、軽く再ステアする。
ジンといえばジントニック。
カフェジンで作ると、ふくよかでスパイシーな仕上がりとなります。
香りは完全に森ですね (笑)
炭酸と合わさることで、えも言われぬすがすがしさが生まれています。
合わせるトニックは悩みましたが、ウィルキンソンを選んでみました。
これなら、カフェジンの風味が引き立ちますね。
トニックウォーターについてはこちらの記事で色々紹介してますので、参考にしてみてください。
山椒のジントニック
おすすめ度 ★★★★★
【材料】
カフェジン 40ml
フレッシュライムジュース 5ml
ライム 1/4個
トニックウォーター Full up
青実山椒パウダー
【作り方】
グラスを山椒パウダーでスノースタイルにする。
氷を入れて、カフェジンとライムジュースを注ぎステアする。
トニックウォーターで満たして、軽く再ステアし、ライムを飾る。
通常のジントニックよりさらに刺激的な味わいとなっているのが、この山椒のジントニック。
グラスのリムに山椒の粉をつけることによって、ピリッとした刺激と香りが加わっています。
スタンダードのカクテルにはない、斬新な味わい。
これぞ創作カクテルの魅力ですね!
さらに山椒感を高めたい方に (笑)
ジンフィズ
おすすめ度 ★★★☆☆
【材料】
カフェジン 45ml
レモンジュース 15ml
粉砂糖 or シュガーシロップ 1.5tsp
炭酸水 Full up
【作り方】
炭酸水以外の材料をシェーカーに入れて、シェークする。
氷を入れたグラスに注ぎ、炭酸水で満たして、軽くステアする。
カフェジンはボディがしっかりしているので、ジンフィズでの楽しみ方もおすすめです。
ただシンプルな風味のカクテルなので、山椒の風味はかなり際立ちます。
私はけっこう好きだったんですけど、このあたりは好みもあるかな?と思ったので星3つ。
材料の分量や副材料を工夫して、再トライしてみたいですね〜。
すだちのジンリッキー
おすすめ度 ★★★★☆
【材料】
カフェジン 35ml
すだち 1個
炭酸水 Full up
【作り方】
氷を入れたグラスにカフェジンを注ぎ、すだちを軽く絞る。
そのまま果肉を落として、ステアする。
炭酸水で満たして、軽く再ステアする。
マドラーなどで、すだちを潰して酸味を調整しながら楽しむ。
通常はライムで作るジンリッキーを、すだちでアレンジしたレシピです。
カフェジンの製造に和素材が使われているからか、すだちの風味とよくマッチしますね。
カフェジンのほのかな甘みを、スッキリ爽やかに味わうことができます。
これを応用して、ジントニックなどにすだちを使うのも面白そうですね!
ギムレット
おすすめ度 ★★★★★
【材料】
カフェジン 45ml
ライムジュース 15ml
シュガーシロップ (今回は和三盆糖) 1tsp
【作り方】
氷を入れたシェーカーに材料を入れてシェークし、カクテルグラスに注ぐ。
ギムレットに合いそう!と思って作ってみたら、これは大当たりでした!
ボリューミーでコクのある味わい、まろやかな飲み心地。
意外にも、山椒の風味は穏やかな感じです。
和三盆糖もカフェジンに馴染みがいいですね〜。
クリアな味にしたいときはシュガーシロップがいいですけど、私はこちらをおすすめします。
ジンアレキサンダー
おすすめ度 ★★★☆☆
【材料】
カフェジン 30ml
クレームドカカオ 15ml
生クリーム 15ml
青実山椒パウダー
【作り方】
氷を入れたシェーカーにカフェジン、クレームドカカオ、生クリームを入れてシェークする。
カクテルグラスに注ぎ、青実山椒パウダーをふりかける。
こんなレシピがあるようなので、作ってみました。
通常のジンアレキサンダーよりも、かなりスパイシーですね!
アルコール感もそこそこ。
ですが、甘さもあり口当たりがまろやかなので意外と飲みやすい感じです。
こちらも美味しいですが好みが分かれそうだな、と思ったのでおすすめ度は星3つです。
ホワイトレディ
おすすめ度 ★★★★☆
【材料】
カフェジン 30ml
ホワイトキュラソー 15ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
氷を入れたシェーカーに材料を入れてシェークし、カクテルグラスに注ぐ。
ジンのスタンダードレシピの中でも、人気の高いホワイトレディ。
カフェジンで作るとなかなか攻撃的な味わいになりますが、かなり美味しいです!
カフェジンも他のジンと同じく、柑橘類と合わせることで真価を発揮するみたいですね。
ただ、「白い貴婦人」のイメージではないですね (笑)
多分、彼女が着ているのは純白のドレスじゃなくて柔道着かなにかです。それくらいパワーがあります。
ホワイトレディのおいしい作り方についてはこちらをどうぞ!
ブルームーン
おすすめ度 ★☆☆☆☆
【材料】
カフェジン 30ml
パルフェタムール 15ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
氷を入れたシェーカーに材料を入れてシェークし、カクテルグラスに注ぐ。
山椒とスミレ。
どう考えても合わなそうなペアリングですが、ものは試しだ!ということで作ってみました。
結論から言うと、これはイマイチです。
パルフェタムールの香りが完全に山椒に支配されています。
ブルームーンは華やかな香りを楽しむカクテルなのに、これはいかがなものか?というのが私の感想ですね。
パルフェタムールは風味の補強、という考え方ならアリかもしれません。
でもそれはブルームーンじゃなくて、なにか別のカクテルだ、っていうことにしたくなっちゃいますね (笑)
ネグローニ
おすすめ度 ★★★★★
【材料】
カフェジン 30ml
カンパリ 30ml
スイートベルモット 30ml
オレンジピール
【作り方】
氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする。
オレンジピールをグラスにツイストして、飾る。
カフェジンで色々なカクテルを作ってみて、一番美味しかったなと私が思ったのが、このネグローニ。
カンパリとスイートベルモット。
どちらも味わいの強いお酒ですが、カフェジンにはそれを受け止める器量があります。
ふくよかで一体感のある味わい、まろやかな飲み心地。
山椒の風味は、香草のフレーバーとうまく絡み合ってくれています。
ネグローニにはあまり主張の強くないジンが合うかと思ってたんですが、これは新発見でした。
材料をお持ちの方はぜひお試しを!
イチオシの楽しみ方です!
ラストワード
おすすめ度 ★★★★★
【材料】
カフェジン 30ml
シャルトリューズ ヴェール 15ml
マラスキーノ 15ml
フレッシュライムジュース 15ml
【作り方】
氷を入れたシェーカーに材料を入れてシェークし、カクテルグラスに注ぐ。
クラシックなレシピの中で特に美味しいと、その魅力が再評価されているラストワード。
カフェジンをベースに作ると、調和感のある仕上がりとなります。
スパイシーな風味とマラスキーノのコクのある味わい。
こいつは美味いですね。
風味の強い材料に、カフェジンが負けていないのがまたすごいです。
こちらも素晴らしい味わいだったので、星5つ。
カフェジンはハーブリキュールとのペアリングが本当にいいですね!
シャルトリューズについてはこちら!
グリーンアラスカもカフェジンに合いそうですね。
ニッカカフェジンの評価まとめ
ニッカカフェジンを買ってみて、色々な飲み方を楽しんだ感想としてはズバリ…
大満足
ですね!
値段に見合った価値があるのか?
と買う前は少し不安でしたが、しっかりとその価値があると私は思いました!
この刺激的なフレーバーは、ほんとにクセになっちゃいそうですね。
スタンダードのアレンジにもいいですし、創作カクテルのベースとしても優秀。
面白いジンに久々に出会えたな〜といった感想です。
興味が湧いた方はぜひおためしを!
ゴードンのようなボディ感のあるジンが好きな人は、特に気に入ると思いますよ。
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カフェジンが気に入ったのなら、ぜひどっしり系のジンをどうぞ。
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