ハーブリキュール、薬草・香草系リキュールとは?
ハーブ系リキュールは、原材料に色々なハーブやスパイスを使用して作られるリキュールです。
銘柄によって使う材料や味もさまざま。
独特な風味のものも多いのですが、一度クセになったら抜け出せない魔力があります。
日本ではまだまだ愛飲する人が少ない印象ですが、好きな人は強烈に惹かれる傾向がありますね。
常連のお客さん1人のためにマイナーなハーブリキュールを揃えている、というバーも見たことがあります。
今回はそんなハーブリキュールのオススメ銘柄と楽しみ方について解説していきたいと思います。
バーで飲むのも自宅で飲むのも、どちらもおすすめです。
気になったものからトライしてみてください!
カンパリ
日本で有名なハーブリキュールといえばこれですね。
鮮やかな赤色が特徴のリキュール、カンパリです。
居酒屋から本格的なバーまで、さまざまな場所で愛されている、まさにハーブリキュールの代表格だと言えます。
ハーブ由来の独特の苦味を持っているため、苦手な方も多いのですが、慣れてくるとこの苦味がクセになってきます。
まずはカンパリオレンジやカンパリウーロンから。
じっくりとこのリキュールの香りと苦味を味わってみてください。
カンパリで作るカクテルの中でおすすめなのは「カンパリソーダ」
【材料】
カンパリ 1/2
炭酸水 1/2
(お好みで)フレッシュオレンジジュース 10ml
【作り方】
グラスに氷を詰めて、材料を注ぎ軽くステアする。
シンプルにソーダだけで割ってもいいのですが、味を高めたい方はフレッシュオレンジジュースを加えてみてください。
カンパリについての詳しい解説や、その他のカクテルレシピは別記事にまとめてあります。
アペロール
カンパリによく似たリキュール。
生産国はイタリア、鮮やかなレッド、オレンジの風味などさまざまな共通点があります。
カンパリとの違いはその味にあります。
こちらは苦味は少し控えめ、そしてオレンジの風味がさらに際立っています。
ザックリ言うと「飲みやすいカンパリ」と言ったところ。
その特徴からイタリアでは、若い方を中心に人気となっているそうです。
アペロールで作るカクテルの中でおすすめなのは「アペロールスプリッツ」
【材料】
アペロール 20ml
白ワイン 30ml
炭酸水 30ml
オレンジスライス 1枚
【作り方】
グラスに氷を詰め、材料を注ぎ軽くステアする。お好みでオレンジスライスを飾る。
イタリアのアペリティーボ(食前酒)の定番となっている飲み方です。
イタリアに倣って仲間ととも気軽にワイワイと楽しむのがおすすめです。
こちらも詳しい解説や、その他のカクテルレシピについては別記事にまとめてあります。
スーズ
鮮やかなイエローが特徴のリキュール。
その見た目から「黄色いカンパリ」と呼ばれることもあるそうです。
主な原材料はゲンチアナという植物の根。
味にはほろ苦さがあり、バニラやオレンジ、漢方薬のような香りを感じます。
甘めでかなり飲みやすい味なので、ハーブリキュールの入門用としてもおすすめですね。
さまざまな材料との組み合わせを楽しむことができますが、中でも柚子との相性が抜群です。
スーズで作るカクテルの中でおすすめなのは「柚子庵」
http://www.quon.info/cocktail/yuzuan/より引用
【材料】
スーズ 50ml
フレッシュ柚子ジュース 10ml
シャンパン 適量
抹茶砂糖
【作り方】
フルート型のシャンパングラスを抹茶砂糖でスノースタイルにする。スーズと柚子ジュースをシェイクしてグラスに注ぎ、シャンパンで満たす。
スーズと柚子の相性の良さを実感できるレシピです。
お互いの味を引き立て合う、完成度の高い仕上がりは必見。
作るのが大変だという方は、市販の柚子ドリンク割りやシャンパン割りから試してみてください。
スーズで作るその他のカクテルを知りたい方は別記事にて。
お手軽に作れるカクテルも多数紹介しています。
シャルトリューズ
フランスで作られる薬草リキュール。
130種類もの材料を使って作られる、複雑な味を持つリキュールです。
リキュールの女王とも称され、そのレシピは門外不出。
材料の細かい配合は3人の修道士だけに受け継がれるという、徹底した秘密主義っぷり。
なんとも怪しげでミステリアスなお酒ですね。
だがそこに惹かれます。
シャルトリューズには大きく分けて2種類のラインナップがあります。
香草の風味溢れる味わいのヴェールと、蜂蜜を加えて飲みやすい味に仕上げたジョーヌ。
まずは甘く飲みやすい味のジョーヌからお試しください。
シャルトリューズで作るカクテルの中でおすすめなのは「アラスカ」
【材料】
シャルトリューズ ジョーヌ 15ml
ジン 45ml
【作り方】
材料をシェイクして、カクテルグラスに注ぐ。
シャルトリューズの味がシャープになり、清涼感溢れる味わいとなったカクテル。
同じレシピで、シャルトリューズヴェールを使って作ると「グリーンアラスカ」というカクテルになります。
その他のカクテルレシピと、詳しい解説は別記事を参照してみてください!
イエーガーマイスター
「ドイツの養命酒」とも呼ばれている薬草リキュールです。
今まで紹介したリキュールと比べると、かなり薬感のある味を持っています。
実際に本国ドイツでは、薬酒として嗜んでいる方もいるそうです。
イエーガーマイスターは苦味と甘味が際立った重厚な味わいを持っています。
身近なものに例えるなら、うがい薬のような風味。
お酒のレビューとしてこれはどうかと思いますが、まぁなんだか体に良さそうな味がします(笑)
近年ではクラブシーンで、ダンスミュージックのお供として飲まれることも多いですね。
いわゆるパリピ酒ってやつです。
刺激的なイエーガーの味わいで心も体も沸き立ちそうですね!
イエーガーマイスターで作るカクテルの中でおすすめなのは「イエーガーボム」
【材料】
レッドブル 250ml
イエーガーマイスター 30〜45ml
【作り方】
タンブラーなどにレッドブルを注ぎ、イエーガーマイスターを入れたショットグラスを沈める。
イエーガーマイスターにエナジードリンクを合わせた、なんとも刺激的なカクテルです。
ここまでくると、一種の度胸試しや気つけ薬のようなものですね(笑)
ネタっぽいカクテルですが、味はかなりイケますよ!
ガリアーノ
思わず目を惹く、背丈の高いボトルが目印のリキュール、ガリアーノ。
バーテンダーの方々から「収納に困る」と大評判のボトルですね。
味の方は澄んだ甘さを持っており、香りはアニスの風味がよく感じられます。
太陽をイメージさせるような陽気な味、というイメージを私は持っていますね。
生産国はイタリアなのですが、そのイメージにはぴったりのリキュールです。
ガリアーノで作るカクテルの中でおすすめなのは「ゴールデンドリーム」
【材料】
ガリアーノ 15ml
ホワイトキュラソー 15ml
オレンジジュース 15ml
生クリーム 15ml
【作り方】
材料をシェイクして、カクテルグラスに注ぐ。
ガリアーノのやや癖のある味も、生クリームと合わせることで飲みやすい味に。
オレンジ系の材料との相性もいいので、調和感の取れた滑らかな仕上がりとなります。
別記事でガリアーノを使った色々なカクテルレシピを紹介してますので、気になる方はチェックしてみてください。
ウーゾ
ギリシャ原産のハーブリキュールです。
ぶどうやレーズンを蒸留した原酒に、アニスの風味を付けて作られます。
カクテル好きの方でもなかなか目にしないお酒、いわゆるマイナーなお酒なんですが、このウーゾは面白い特徴を持っています。
まずウーゾを水で割ると透明な液色が、白く濁ったような色へと変化します。
これは同じハーブリキュールであるリカールなどでも見られる変化ですね。
そして面白いのがもう1つ。ウーゾを冷凍させると…その液体の中にダイヤモンドダストのような細かい氷片が舞い上がります。
どちらもウーゾに含まれる天然成分が作用して起こる変化なのだそうです。
初めてバーで見せていただいたときには驚きましたね。
ウーゾの飲み方の中でおすすめなのは「冷凍してストレート」
ウーゾは見た目だけはなく味も素晴らしいリキュールです。
その味にはやはり少し癖がありますが、キンキンに冷やすことでかなり飲みやすくなります。
アブサンやペルノーに近い味ですが、それよりも親しみやすく、フルーティな感じですね。
オパールネラ
オパールネラはサンブーカという種類のお酒の一種です。
エルダーフラワーやリコリス、アニスなどを原料に作られ、エルダーベリーの色素によって黒色に着色されています。
黒色というのはリキュールの色としてはとても珍しく、その色を生かしたさまざまなカクテルのレシピが存在しています。
味のほうはアニスのフレーバーが際立っていますね。
ですが、同じアニスの風味を持つガリアーノと比べると深いコクがあり、少々重めの口当たりとなっています。
オパールネラで作るカクテルの中でおすすめなのは「ブラックマンデー」
【材料】
ダークラム 30ml
オパールネラ 15ml
チェリーブランデー 5ml
レモンジュース 15ml
【作り方】
材料をシェイクして、カクテルグラスに注ぐ。
オパールネラの複雑な風味にラムのふくよかさが加わったカクテルです。
余韻はレモンの風味でスッキリ。
とてもバランスのいい味のカクテルですね。
アブサン
ハーブリキュールを語る上でこのアブサンは外せません。
主な原料はニガヨモギ。
強烈なハーブの香りと苦味、高い度数でかなり人を選ぶ味となっています。
しかし個性的であるがゆえに、一度受け入れてしまうと離れがたい危うい魅力があります。
画家であるヴィンセント・ヴァン・ゴッホも、その魅力に取り憑かれた1人であることがよく知られていますね。
アブサンを飲んだゴッホが見たとされる緑色の亡霊。アブサン - Wikipediaより引用
アブサンは19世紀末にパリで大流行したのですが、その成分が幻覚、興奮作用を引き起こす上に、強い中毒性があるとして飲酒が禁止されました。
その後、成分の調整などによって今は合法的に飲むことができるようになっています。
アブサンは健康への影響はないものとして認められているのですが、そんな事情があると飲むのに少し背徳感を感じちゃいますね。
アブサンの飲み方でおすすめなのは「アブサンカクテル」
【材料】
アブサン 30mlほど
角砂糖 1個
水 適量
【作り方】
1. グラスに氷を入れ(お好みで)角砂糖を乗せたアブサンスプーンを置く。
2. 角砂糖に垂らすようにアブサンを注ぎ、火を付ける。
3. しばらくおいた後、水を垂らして火を消す。
4.グラス内のアブサンとスプーンに残った砂糖を混ぜる。
アブサンの代表的な飲み方がこちら。
青い炎が幻想的な、なんともムーディーなカクテルです。
鮮烈なアブサンの味も、加水することでずいぶん飲みやすくなります。
口当たりは非常にオイリー。口に含むと複雑なハーブの香りで満たされます。
今回は手持ちの道具を使いましたが、本来はアブサンスプーンという道具を使って作られます。
より雰囲気を出したいならば専用の道具を使いたいところですね。
ウンダーベルグ
ウンダーベルグはドイツの薬草酒。
世界各国から集めた、40種類以上ものハーブを使って作られるリキュールです。
かわいらしい20mlのビンがなんともチャーミングですね。
お味の方はイエーガーマイスターに似ていますが、甘さは控えめで苦味が効いています。
まさに胃薬、といった感じで健康になりそうな味ですね(笑)
余韻にはミントのような清涼感のある風味が漂います。
この清々しい香りは、クセになりそうですね。夏に恋しくなる風味だと思います。
こちらもなかなか独特な味のリキュールですが、ドイツでは一日に100万本も売れる国民酒なんだとか。
胃腸の調子が悪いときや、二日酔い予防に飲まれているそうです。
このリキュール、度数が44%なんですが…さすがお酒に強いヨーロッパ圏といった感じですね(笑)
ウンダーベルグで作るカクテルの中でおすすめなのは「アイアンマン」
【材料】
ウンダーベルグ 20ml
ジン 30ml
アンゴスチュラビターズ 2ml
炭酸水 Full up
【作り方】
グラスに氷を詰めて材料を注ぎ、軽くステアする。
ウンダーベルグの爽やかな香りを堪能できるカクテル。
これは美味しいですね!独特の苦味も適度な感じになってゴクゴク飲めてしまいます。
すっきり爽やかな味わいは、バーでの〆の一杯にもよさそうです。
多種多様の味を持つハーブリキュール。お気に入りの一本を見つけよう
一度ハマると抗いがたい中毒性があるハーブリキュール。
さまざまな種類のボトルがあるので、自分に合った一本を見つけてみてはいかがでしょうか?
いきなりボトルを一本買って口に合わなかったら大変ですから、最初はバーなどで試し飲みをすることをおすすめします。
気に入ったものがあったら、バーテンダーさんにぜひそれを伝えてみてください。
きっと「それならこの銘柄も…」と次なるおすすめの銘柄を紹介してくれるはずですよ!
「カクテルの作り方を詳しく知りたい!」
「いろいろなレシピを知りたい!」
という方はカクテルブックを一冊持っておくのがおすすめですよ。
私が活用しているカクテルブック一覧はこちら。
初心者~上級者向けまでいろいろ使っています!