原料は…ぶどう!?異色のジン「ジーヴァイン」について
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ジーヴァイン フロレゾンはフランス産のクラフトジンです
ジンの製造国としては珍しいフランス。フランス産のリキュールやスピリッツはどこか上品さが漂う味と香りだと感じることが多いですが、このジーヴァインも例に漏れずといったところ。フレッシュでフローラルな風味が特徴のジンとなっています
さてこのジーヴァイン。季の美の時と同じく原材料に特色があります
通常ジンの原料となるのは穀物由来のスピリッツですが、このジーヴァインの原料はユニ・ブランというコニャック地方原産のぶどう
この品種は果実味や柑橘系の風味が特徴的で白ワインなどの原料としてよく使われています
そのためユニ・ブランを蒸留して作られるジーヴァインはジンでありながら白ワインのような芳醇な香りを持っています
もちろんジンですので香りつけのボタニカルもふんだんに使用されています
ジュニパーベリーにくわえて生姜、カルダモン、シナモン、コリアンダーなど計8種類
それにユニ・ブランの花から抽出したエキスを加えることにより繊細な香りを生み出すことに成功しています
http://www.thebowbar-sapporo.com/PaulGiraud.html
製造方法もなかなか特徴的です。ジーヴァインは以下のような工程を経てボトル詰めされます
1.ユニ・ブランの花のエキスを醗酵させ蒸留する
2.ユニ・ブランの果実を発酵させ蒸留した後にボタニカルに漬け込む
3.漬け込んだスピリッツを再蒸留する
4.花のエキスを蒸留したものに果実を蒸留したものを混ぜて再蒸留して完成
ジンとしては異例の計4回の蒸留。このように複雑な工程を経て手間暇をかけて作られたジンは純度の高い澄み切った味となります
まさにクラフトジンの名を冠するのに相応しいこだわりの製法と原料だといえます
味の方はやはりぶどう原料というだけあって甘みがありフルーティ
花畑の中に立ったようなフローラルな香りも特徴的です
口当たりも非常に滑らか。穏やかな日常に華を添えるような、そんな気品のある味わいのジンです
オススメの飲み方と味の解説
ジーヴァインは口当たりも軽く、香りも特徴的です。そのため個性を感じるカクテルを作りたいときに最適なジンだといえます
色々な飲み方を試したのですが、スタンダードな飲み方であれば違和感を感じることは特にありませんでした。今回は自分が好みだと感じた飲み方を紹介しますが、これをごらんの読者の方はそれぞれ好きな飲み方でこのジンを楽しんでもらいたいと思います!
ストレート
https://www.pictastar.com/view/1426970582151693675
まず驚いたのはグラスに顔を近付けた時の香り。ぶどう由来だと思われる華やかな香りが鼻腔をくすぐります
一瞬、今から飲もうとしているものがジンだということを忘れてしまうようなフルーティさ。思わずその香りにうっとりとしてしまいます
口に含むとマスカットを食べたときのようなスッキリとした甘みと芳醇な香りが駆け巡ります。白ワインのようでもあり、白ぶどうのリキュールのようでもある…
しかし確かに感じるジュニパーの香りとキリッとした味わいはジンそのもの。なんだこれは
初めて飲んだのはバーのカウンターでのことでしたが、思わず「えっ…なにこれ!」と声を出してしまいバーテンダーさんがニヤニヤとした表情でこっちを見ていたのをよく覚えています
思わず声を上げてしまうような個性的な味と香り。クラフトジンの醍醐味といえる体験です
常温で飲むのもオススメですがやはりここは冷凍して飲みたいところ。冷凍するとさすがに香りは少し閉じ気味になってしまいますが、今度は甘さが際立つようになります
トロリとした舌触りから口の中で甘さと芳醇な香りが一斉に広がる、という体験は他のジンではなかなか味わうことができません!
ジントニック
https://funabashi.mypl.net/shop/00000344829/news?d=881248
ジントニックにしてもそのフルーティな味を十分に堪能することができます
トニックで薄められたとしてもその新鮮な香りは衰えを知らず。まるで生のマスカットを頬張ったような瑞々しさを感じ、トニックのほのかな苦味と炭酸の刺激ともよくマッチします
フルーティな炭酸のカクテルならリキュールのソーダ割りとかで十分じゃないのか?と思うかもしれませんが、やはり味わいの純度や奥深さが段違いです
女性の方でも抵抗なく飲めそうなフローラルで爽やかな味。甘くスッキリとした味わいを求める人にはうってつけのカクテルになることでしょう
トニックウォーターはシュウェップス、ウィルキンソン、フィーバーツリー、どれでも美味しく頂くことができました
少し炭酸水を足してジンソニックにすると爽やかさが強調されてベターです
マティーニ
http://g.chaoo.jp/shop/roncana/
ぶどうの風味にもっと浸りたい!という方はマティーニをオススメします
ドライベルモットはフレーバードワイン、ジーヴァインはぶどう原料のジン。この二つが合わないはずがありません
ジーヴァインは若々しいぶどうの風味、という感じですがそこに熟成感のあるドライベルモットの味が加わることによってとても奥深くそれでいて柔らかな、女性的な印象のカクテルとなります
度数は高いが柔らかな飲み口、新鮮な香りがあるが熟成感も感じる…相反する要素が複雑に絡み合った奥深い味わいだといえるでしょう
総評
ジーヴァインの瑞々しいフルーティーな香りはまさにクラフトジンらしい個性に満ちたものだといえます
ジン好きの方だけでなく普段リキュールやワインなどをよく飲んでいるという人にも飲ませて感想を聞いてみたくなる一本。興味が湧いたらバーや酒屋でこの銘柄を探してみてはいかがでしょうか?
ちなみにジーヴァインにはフロレゾンの他にノエゾンという銘柄も存在しています。こちらはフロレゾンに比べてややドライな味となっているとのこと
筆者はまだ飲んだことがないのでレビューは控えさせてもらいますが、ジーヴァインのバリエーションの一つとしてここで紹介しておきます
ドライな味が好みだという方はそちらの銘柄から手を出してみるのもいいかと思います。私も手にする機会があったらフロレゾンと飲み比べてレビューするつもりです!
このジンが気に入った方には、クラフトジンのまとめ記事をオススメしています。
味の傾向についてそれぞれ詳しく書いてみましたので、この中からお気に入りの一本を見つけてみてください!
ジンベースのカクテルのレシピについては、こちらの記事にまとめてあります。
定番から創作レシピまで幅広く紹介してますので、参考にして作ってみてはいかがでしょうか?