穏やかな和のエッセンスが感じられる京都製ジン
季の美は京都蒸留所で作られるクラフトジンです
ジンと言えばヨーロッパが主な生産国ですがこのジンは日本製、それも和の象徴ともいえる京都の蒸留所で作られています
この蒸留所ではロンドンドライジンの製造技術が取り入れられており、初リリースとなる季の美はジンに和のエッセンスを加えるという挑戦的な技法がとられています
製法は本場のロンドンドライジンにならって作られていますが原材料がかなり独特です
https://kyotodistillery.jp/startingoperation/
まずベースとなるスピリッツには米由来のライススピリッツを使用。それにより柔らかな口当たりと独特の風味を作り出しています
https://kyotodistillery.jp/startingoperation/
水は伏見の天然水を使用。地下深くからくみ上げられた水はジンに柔らかなニュアンスを与えます
https://kyotodistillery.jp/startingoperation/
そして香り付けに使用するボタニカルにはジュニパーベリーの他に、なんと柚子、山椒、檜、玉露といった和の要素が感じられるものを採用されています
日本独自の柑橘やスパイスを使用してジンを製造することによって、ジン独特のジュニパーの香りの奥に心を落ち着かせるような穏やかな風味が漂います
これは海外製のジンでは味わえない個性だといえます
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201609234560/
ボトルにもこだわりが見えます
和の雰囲気を強調させるような墨色のボトルに美しい唐紙の文様…
この文様は「季の美」の名にならい、四季を表現しているとのことです
江戸時代から続く唐紙屋を継承するKIRA KARACHO(雲母唐長)が監修したデザインが用いられています
このように原材料からボトルのデザインに至るまで細やかに気が配られており、全身で和の心を表現しようという強い気概が感じられます
オススメの飲み方
ストレート
http://www.webmagazine-ago.jp/
このジンに限ったことではないですが何か新しいジンを手に入れた際には、とりあえずジントニックで飲んでみようと考える方が多いと思います。
ですが、この季の美はまず始めにストレートで味わっていただきたいです
通常、ジンをストレートで飲むとなるとその鋭い口当たりと高いアルコール度数に辟易してしまうことが多いかと思います
しかしこの季の美はまろやかな口当たりとフルーティな風味が特徴
ジンをストレートで飲んだ時の辛口な印象はあまり感じず、驚くほどすんなりと口の中に馴染んでいき喉を通り過ぎていきます
(もちろん飲みやすいとはいえ、アルコール度数相当の刺激はあるのですが)
ストレートで飲むことによってボタニカルの香りをダイレクトに味わうことができるので、和のボタニカルにこだわって作られたこのジンを飲むのにうってつけの方法だと言えます
ちなみにストレートでジンを飲む際は冷凍庫で冷やしてトロリとした状態になってから飲むのが一般的ですが、季の美は常温で飲むのもオススメです
ジンを冷凍することは鋭すぎる口当たりを抑える効果がありますが、香りの拡がりのよさも若干抑えられてしまいます
一方、季の美は冷凍せずとも口当たりが非常に柔らか。常温でも飲みやすく、その香りを存分に堪能することができます
ジントニック
http://www.trip.kyoto.jp/event/news/kinobi_2017_0405/
ジンで作るカクテルの定番であるジントニックにしても、その味わいに季の美の個性が顔をのぞかせます
ジントニックは辛口で爽快感溢れる味のものが一般的ですが、季の美を使用したジントニックは口当たりが非常に柔らかで甘めの味わいとなります
香りの方は柑橘、特に柚子が際立っている印象
清涼感のある香りの奥にほんのりとスパイシーさも感じます
口の中にじっくりと浸透していくような柔らかな口当たり…どこか和の趣を感じる香りと味…まさにクラフトジンを使うことでしか味わうことのできない至高の一杯と言えるでしょう
ちなみに筆者は自宅でジントニックを作るときについつい面倒だからとライムを入れない事もあるのですが、季の美で作ったジントニックは元となるジンの味のバランスが高いレベルで整っているため、それでも美味しく飲むことができます
このような完成度の高いジンを作り出したことに対する尊敬の念が堪えません…
マティーニ
https://whisk-e.co.jp/news/knb6cocktails/
カクテルの王様とも呼ばれるマティーニ。辛口のカクテルとしても有名ですが、季の美を使用して作ることにより、口当たりのいいフルーティーな味わいのカクテルとなります
私はジンが大好物なのですが、実を言うとマティーニは積極的に飲むほうではありませんでした
お酒もあまり強くないですし、やはり口当たりが鋭すぎる感じがして…バーに行っても飲みやすいジントニックの方をオーダーしてしまうことが多かったです
しかし季の美で作られたマティーニはまろやかで飲みやすく、アルコールのキツさを感じさせない素晴らしい出来でした
馴染みのバーで出していただいたのですが、今までにない口当たりの良さと爽やかな風味に感動した覚えがあります
マティーニに苦手意識がある方でも一度は試してみる価値のある味だと思いますので、季の美を置いているバーを見かけたらオーダーをしてみてはいかがでしょうか?
もちろんミキシンググラスを持っていてステアの腕に自信があるという方はぜひ自宅でも一度作ってみてもらいたいと思います
水割り
https://kyotodistillery.jp/howtodrink/mizuwari/
ジンの水割り?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、季の美は甘めの味わいとなっているので水割りでも美味しく頂くことができます
季の美の公式サイトによると割る時の割合は水とジンを1:1にするのがオススメとの事です
水割りにすることで度数が20度ほどになるので、ジンをそのまま飲むのに抵抗があるという方にも受け入れられる味になるかと思います
その華やかで芳醇な風味はまるで上等な日本酒を飲んでいるかのごとく
無色透明のジンと水の組み合わせなので見た目は透明になるかと思いきや、少し濁りが出てくるのも面白いですね
天然のボタニカルをふんだんに使用しているためにこのような見た目になるのだそうです
総評
https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/restaurant/list/ml/original_cocktails/
ジンらしいシャープでドライな味わいを期待する方は肩すかしを食らってしまうかもしれないですが、飲みやすく甘めでフルーティな味が好みだという方にはピッタリの一本です
クラフトジンの良さである個性が際立つ独特の味や香りも持っており、国産のジンということで話題性も抜群です
ジンはあまり好んで飲むほうじゃない、という方や女性の方にも薦めたくなる銘柄ですね
何より日本初のクラフトジン蒸留所で作られたジンがこれほどまでに高い完成度を誇っているという事実に驚きを隠しきれません!
ジンが好きで好きで堪らない!という人から初心者の方まで満足させることのできる優秀なジンだと思います
クラフトジンの中でも一際異彩を放ち、その人気が高まっている季の美
最近は生産も軌道に乗り、バーのラインナップに加えられていることも多くなりましたし、リカーショップでもよく見かけるようになりました
読者の皆様もぜひ一度、季の美を味わってみてはんなりとした気分に浸ってみてはいかがでしょうか?
このジンが気に入った方には、クラフトジンのまとめ記事をオススメしています。
味の傾向についてそれぞれ詳しく書いてみましたので、この中からお気に入りの一本を見つけてみてください!
ジンベースのカクテルのレシピについては、こちらの記事にまとめてあります。
定番から創作レシピまで幅広く紹介してますので、参考にして作ってみてはいかがでしょうか?