意外と知らない、バーでのマナーについて
今回は、バーでのマナーや立ち振る舞いについて解説します。
バーには居酒屋やスナックとは違う独自のルールやマナーがあります。
バーを楽しむため、そして心地よいものとするために、訪れる際にはぜひ守りたいものですね。
まずはじめに。どうしてバー独自のマナーが存在するのか?
なぜ、バーには一見堅苦しいとまで感じるようなマナーがあるのか?
まずは、そちらについて説明したいと思います。
これについては、実際にバーテンダーの方の思いを伝えるのが1番でしょう。
私の行きつけのバーのオーナーバーテンダーの言葉です。
「私たちは環境を売っているんです。カクテルの味も大切ですが、バーのムードというものがとても大事。」
「美味しいウイスキーを飲むだけなら、家でだってできるんです。この静かさ、落ち着いた照明、そしてバーにいるすべての人間によって、出されたお酒が美味しいと思わせる環境を作っているのです。」
「ですから、私たちはバーに来る人を選びます。酔っ払って暴れてしまうような人が来てしまったら、他のお客さんに申し訳がない。このバーが路地裏にひっそりと建っているのも、そういう理由があるからなんです。」
私がバーに通いはじめの頃に聞いて、とても心を動かされた言葉です。
バーはお酒と向き合うための場所。
静かに、そしてその味わいに深く浸るためにはその環境がとても大事なのです。
ちなみに、この言葉を言ってくれたバーテンダーさん。振る舞いも素晴らしかったのですが、カクテルの味もピカイチでした。
細かな環境にまで気を配っているバーは、カクテル作りにも真摯に取り組んでいるということなんでしょうね。
バーでお酒を楽しむ際に注意したいマナー
それでは、実際にバーでのマナーについて順にみていきたいと思います。
バーは敷居が高い、なんて言われたりしますが特に身構えることはありません。
静かな喫茶店で過ごすように振る舞えば基本的にはOKです。
ただ、バー独自のルールのようなものがあるのも事実。
そこで、ここからはバーに慣れていない方がやってしまいがちなことを挙げてみたいと思います。
大声で話さない
バーは、落ち着いてゆっくりとお酒を楽しむ場所です。
なので、他のお客さんが静かにお酒を飲めるように配慮をする必要があります。
酔って気が大きくなり、つい大きな声を出してしまった、という事が無いようにしましょう。
乾杯はグラスを当てない
バーでは繊細なグラスが使われています。
そんなグラス同士をぶつけてしまうのは、スマートではありませんし、単純に危ないです。
傷ついたグラスによって、カクテルの口当たりや味に違和感を覚えることもあります。
乾杯をしたいときはグラスを当てず、軽く目の前にかかげるようにするのがスマートですね。
携帯電話の使用はなるべく控える。静かに読書はOK
携帯電話はなるべく使用しないほうがいいでしょう。
通話するにしても、酔っているのでどうしても話し声が大きくなりがちです。
どうしても使いたい時は、スタッフに許可を取るのが無難でしょう。
カクテルの写真を撮りたくなっても、必ずバーテンダーの方に一言許可をもらうこと。
もちろん、薄暗い店内でフラッシュを焚くのは厳禁です。
では、携帯電話を使うのがスマートではないとしたら、本を読むのはどうなのか?
これは音を出したりして周りに迷惑をかけているのではないので、OKです。
むしろ静かにお酒を飲みながら、好きな本を楽しんでいるだなんて素敵な人だな、と私は思います。
他のお客さんに話かける時は空気を読んで
バーには様々な方が集います。
友人と来店される方、1人で静かにお酒と向き合いたい方、読書をしている方…。
他のお客さんに話しかける事はマナー違反ではないですが、自分だけの時間を楽しみたい方もいるという事も頭に入れておきましょう。
もちろん隣り合った方との一期一会を楽しんでいる方も沢山おられるので、話す機会があれば大いに語り合いましょう!
カウンター上に出されたボトルには勝手に触れない
カクテルやウイスキーをオーダーすると、あなたの前に、使ったお酒のボトルが置かれます。
目の前のボトルに、つい手が伸びてしまいそうになりますが、ひとまず落ち着きましょう。
バーテンダーにとってお酒は言わば商売道具。
中には厳しく品質を管理されてるものもあるかもしれません。
ボトルを手に取る際には、必ずバーテンダーに許可を取りましょう。
バーに行くときは少人数で
バーの席数は限られています。
特にオーセンティックなカウンターだけのバーに大人数で押しかけてしまうと、他のお客さんが入る余地を無くしてしまいます。
自分たちだけで、席を埋めてしまうのは少しかわいそうですよね。
なのでバーに行く人数は、多くても3人程度に留めておくのがいいでしょう。
同じ理由で、あまり長時間滞在しすぎるのも考えもの。
3杯前後飲んだら、店を後にするのがスマートでしょう。
なんだか小難しいルールばかり…本当に心から楽しむ事が出来るのだろうか?
ここまで読んだ方の中で、このような感想を持った方もいるかと思います。
確かにバー独自のマナーは色々ありますが、これらのマナーが存在しないバーを想像してみましょう。
大声で騒ぐ客、静かに飲みたい時に横の客から絡まれる、フラッシュを焚いて写真を撮る人がいる…。
これではお酒の味をじっくり楽しむことは難しそうですね。
バーテンダーも他のお客さんもお互いに気遣いをする。
程よい緊張感があるからこそバーは心からくつろげる空間になるのです。
ただ酔っ払いたい、騒ぎたいという方はバーでは居心地の悪さを感じて、今後は足が遠のくことでしょう。
ルールやマナーがあるからこそ自浄作用が働き、バーは良識のある大人がリラックスしてお酒を楽しむのに最適の場所となるのです。
さいごに
色々脅したりもしましたが、バーに行き一杯目のお酒を飲む頃には、きっとあなたの緊張や不安は解けていることかと思います。
バーで飲むお酒は格別。
家で同じ材料を揃えても、なかなかそれに近づくことはできません。
ぜひ勇気を出してバーに行き、大人の世界に浸ってみてもらいたいと思います!