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カクテルやウイスキー、リキュールなどの洋酒の楽しみ方を紹介します

バルヴェニー12年 ダブルウッド - 弦楽器のように優雅で滑らかな味を持つウイスキー

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バルヴェニーの特徴と製法

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https://whiskyledger.com/tag/balvenie/

 

バルヴェニーはスコットランド、スペイサイド地域で作られるシングルモルトウイスキーです

製造するのは同じくスコッチのシングルモルトであるグレンフィディック蒸留所の操業で有名なウィリアムグランツ&サン社

ウイスキー以外では以前紹介したプレミアムジンの「ヘンドリックス」の製造も行っているメーカーですね

 

若草のような爽やかな香りのプレミアムジン、ヘンドリックスジンのオススメの飲み方と味の特徴を解説 - NomiLOG

 

バルヴェニー蒸留所が操業開始したのは1892年。ウィリアムグランツ&サン社がグレンフィディックに次いでスペイサイドのダフタウンに建造した蒸留所です

グレンフィディック蒸留所に隣接した敷地に建造されており、ウイスキーの製造に使う大麦や酵母はグレンフィディックに使われるものと同一のものとなっています

 

そのためバルヴェニーとグレンフィディックには風味や熟成香などにいくつかの共通点が感じられます。例としてはグレンフィディックの特徴としてよく挙げられる洋ナシ香でしょうか。こちらの風味はバルヴェニーをグラスに注いだ際に立ち昇る香りからよく感じられます

 

 

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http://n-log.jp/barnagata/237411.html

 

バルヴェニーでは大麦を発芽させて麦芽を作る、という工程に昔ながらのフロアモルティングを採用しています

ボウモアやラフロイグなどの蒸留所でも取り入れられている手間隙をかけて行われる伝統の製法ですね

フロアモルティングの詳しい解説についてはボウモアの記事にまとめてありますので、こちらを参考にしてみてください

 

海の香りのアイラモルト「ボウモア」の魅力 - NomiLOG

 

材料となる麦芽の乾燥が終わると蒸留、そして樽での熟成に入ります

蒸留にはバルヴェニーオリジナルのポットスチルを使用。ネックの部分にバルヴェニーボールと呼ばれるコブが付いているのが特徴です

 

グレンフィデックは複数のポットスチルを使って蒸留を行い、味の調整を行っていますがバルヴェニーで使用されるポットスチルは1種類のみ。このポットスチルの形状や運用方法が2つのウイスキーのフレーバーに差をもたらす要因となっていると考えられます

 

熟成に使う樽は樽はバーボン樽、シェリー樽、ポートワイン樽など種類もさまざま

基本の銘柄となる「バルヴェニー12年 ダブルウッド」にはバーボン樽とシェリー樽が使用されています

 

独自のポットスチルによりエステリーな原酒が生み出され、それがバーボン樽とシェリー樽によって熟成された結果、バルヴェニーは香りがフルーティでありながら濃厚で甘美な味わいとなります

爽やかさが際立つグレンフィディックとは少しベクトルの違う味わいと言えますね

 

バルヴェニーとグレンフィデック。この二つのウイスキーは使用される材料は似通っていてもこのように製造方法や熟成に使われる樽に違いで、実際の味わいの印象はまったく異なるものとなっています
同じルーツを持つウイスキー同士で飲み比べてみて、香りや味の中にある共通点を探ってみるというのも面白いかもしれませんね

 

 

 オススメの飲み方と味の解説

 

様々なラインナップを持つバルヴェニーですが今回はその中からスタンダードなモデルである「バルヴェニー12年 ダブルウッド」について紹介したいと思います

今回もストレートからハイボールまで色々な飲み方でバルヴェニーを味わってみました。その中から印象に残ったものについて紹介していきたいと思います

 

ストレート

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https://whiskyledger.com/tag/balvenie/

 

まず最初にストレートで味わってみました

バルヴェニーをグラスに注ぐと豊かな熟成香が立ち昇ります

洋梨のようなフルーティで繊細な香り。その中に微かにバニラのような濃厚さのある甘い香りを感じます

口に含むとまず鮮烈な甘さと熟成したフルーツのような風味が感じられ、微かにチョコレートのようなビターな風味が後から追いかけてきます
意外にも甘さに反して口当たりは滑らかです。バルヴェニーは重厚な味が特徴だと聞いていたのですが、個人的にはそれほど重くない印象。

余韻も短めで爽やか。微かに渋みが残るように感じられます

 

このウイスキーは比較的軽めのウイスキーということになるのかな?と飲み進めていた所、1ショットの後半になると徐々にこのウイスキーから感じる印象が変化していきました

甘みに舌が慣れてきたおかげなのか、ほろ苦さと渋みを徐々に感じるようになり、厚みのある印象のある味に
なるほど、この段階になると重厚な味という感想も出てきますね

飲み進めるうちに若さを感じる味から円熟の趣のある味へ。飲み方を変えずとも変化を楽しむことができる、なかなか面白いウイスキーだという印象を受けました

 

ロック

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https://whiskyledger.com/tag/balvenie/

 

氷で冷やされ、加水がなされると全体的にフルーティな印象となりました
もちろんバルヴェニーの特徴の1つである鮮烈な甘さは健在。カラメルのようなニュアンスも顔を覗かせてきます
飲み切る直前の氷の大半が溶け出している段階になっても、甘みをハッキリと感じることができるため最後までバルヴェニーの優雅な風味を楽しむことができます
ひんやりサラリとしていて上品な甘さが突き抜ける。このウイスキーはロックで飲むと私たちを優雅な気分にさせてくれます

アルコール感も感じづらく、とても飲みやすい印象なのでウイスキー初心者の人にも抵抗なく受け入れられそうな味わいですね

 

水割り、ハイボール

なかなか悪くはないのですが、残念ながら香りが少し物足りなくなり、味にも渋みや苦味を強く感じるようになってしまいます

ハイボールにした際に得られる変化も乏しいので、あえてこの飲み方を選ぶ必要性もないかとは思います

ボトルを購入してみたけどロックでもアルコールがキツく感じたという方向け。でもやっぱり少し勿体無いかな、というのが私の意見です

 

 

総評

滑らかで飲みやすい、かつ熟成香やコクのある味わいを楽しむことができるとても優等生なウイスキーだと言えます

オススメの飲み方はストレートとロック。バルヴェニーの甘美な甘さを楽しむにはこの2つの飲み方が最適でしょう

 

この銘柄はまだウイスキーにあまり慣れてない、という方が手を出すのにもうってつけだと思います

筆者は今までウイスキー初心者の方に「スコッチのシングルモルトでオススメの銘柄を教えて欲しい」と質問された時には飲みやすさなどを考えてマッカランを勧めていました
しかしマッカランは現在、原酒不足により値段が高騰をしています。美味しいウイスキーなのですが初心者の方が手を出すとなると正直尻込みをしてしまう金額…勧めたい銘柄なのだけどどうにも勧めづらいというジレンマがありました


なのでまずはシングルモルトの入門用としてバルヴェニーを勧めてみる、というのも面白いのではないかと思っています

味も滑らかで飲みやすいため、ウイスキーをストレートやロックで楽しむことができるようになるまでのステップアップとしても最適でしょう

値段もスタンダードなマッカラン12年より幾分か割安です

勧めた方がバルヴェニーを気に入ったら改めてマッカランを紹介してみるのもいいかもしれませんね。マッカランとは生産地、シェリー樽熟成の共通点もあります。味のベクトルは少し違いますが、きっと気にいってもらえることかと思います

 

 

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繊細でありながら豊かで深みのある味を持つこのウイスキーはまるで弦楽器のようだと私は思います。それも甲高い音色のヴァイオリンではなく、中音域の豊かな響きが特徴的なヴィオラのような…

飲み進めるうちに甘みから渋みへと色合いを変える味わいはさながら次々と展開を変えていくオーケストラのよう

 

そのイメージに身を任せてクラシックの名曲とともにこのモルトを味わうというのも、存外楽しいものかもしれません

クラシックなんて普段はまったく聴かない、という方も多いかと思いますが、今宵は少し気取ってヴィオラの音色とともにこの名酒のグラスを傾けてみてはいかがでしょうか?