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自宅でカクテルを作るときに役立つ情報ブログです。カクテルの作り方、おすすめのお酒を紹介していきます。

基本のカクテル「モスコミュール」作り方にこだわってみよう

モスコミュールとは 

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https://stellarosawines.com/moscow-mule-with-a-stella-rosa-twist/

 

モスコミュールはウォッカとジンジャーエール、ライムジュースで作るカクテルです

グラスにウォッカを30mlほど注ぎ、ライムを絞る。そこにジンジャーエールを注いで混ぜればあっという間に完成します

ジンジャーエールのコクとライムの酸味がよく調和しており、そこにウォッカが加わることによってボディも出てきます

シンプルながら味のバランスの取れたとても美味しいカクテルです

 

手軽に作ることができるのがウリの1つとも言えるこのカクテル。知名度も高く、居酒屋などで味わったことのある方も多いはずです

度数が低めで飲みやすい味なので「居酒屋などでお酒覚えたての大学生がよくオーダーする甘ったるいカクテル」といったような少しネガティブなイメージを抱いている方も中にはいるかもしれませんね

ですが実は意外とこだわり甲斐のあるカクテルでもあるのです

この記事ではモスコミュールの美味しい作り方、味を高めるための材料の選び方などを解説していこうかと思います!

 

 

実はモスコミュールにはもともとジンジャーエールが使われていませんでした。代わりに使われていたのは…

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そもそもこのモスコミュール、昔のレシピではジンジャーエールは使われてはいませんでした

その代わりに使用されていたのはジンジャービアという飲み物です

 

ジンジャービアとは生姜を柑橘類、水、砂糖とともに発酵させて作られます

ジンジャーエールと同じく炭酸が入っていますが、こちらは発酵によって発生した天然の炭酸です

糖分がアルコールに変わるため度数も2〜3%ほどになります(注:現代で販売されているジンジャービアはノンアルコールのものがほとんどです)

味はジンジャーエールと比べると甘みが少なめでとにかく生姜の風味が強烈です

ジンジャービアを使ったモスコミュールの味は甘さが控えめで現代のレシピで作ったものと比べるとずいぶんドライな印象となります

 

モスコミュールはシンプルなカクテルですが、材料の選択によって飲んだ時の印象がガラリと変わります

ジンジャーエールに限らずウォッカの銘柄や作り方にもこだわれば、バーのウリにもなり得る個性的な味のモスコミュールが完成します

 

 

モスコミュールの作り方、美味しく作るためのコツ

f:id:makersmark3565:20170904230046j:plain http://www.inspiredtaste.net/26610/classic-moscow-mule-recipe/

 

モスコミュールの基本の作り方は次の通りとなります

 

1.グラスに氷を詰めウォッカを1/4程度注ぐ

2.1/4にくし切りにしたライムを絞り、グラスに落とす

3.十分にステアをし、その後にジンジャーエールまたはジンジャービアを注ぎグラスを満たす

4.最後に炭酸が抜けないように軽くステアする

 

最後のステアは慎重に行うように気をつけなければならないですが、それ以外は特に難しいこともなくシンプルなレシピです

ジンジャーエールの強い風味が前面に出るカクテルなので細やかな技術の差による味の違いは出づらいとも言えます

そうなるとあまりこだわる余地がないように思えるかもしれないですが、味を高めるために定番かつオススメの方法があります

それは銅製のマグカップを使用することです

 

 

銅製のマグカップというと現代ではほぼ使われていませんが、オーセンティックなバーには常備されていることが多い道具です

なぜわざわざ時代遅れとも言える道具を使うのか?それには2つの理由があります

 

その昔、バーでモスコミュールを提供される際には銅製のマグカップがよく使われていました

その理由はウォッカのメーカーがプロモーションのために広めた、禁酒法時代にお酒を飲んでいることをカモフラージュするために広まった、など様々な説があります

現在でもバーで銅マグがよく使われるのはそうした昔の文化へのリスペクトのためというのが第一の理由です

あえてクラシックな道具を使うことによりレトロな雰囲気を演出できるのでオーセンティックバーのような場所では特に重宝されています

 

第二の理由はやはり味のため

銅マグは熱の伝導率に優れているためカクテルがよく冷え、口をつけた時のひんやりとした感触は清涼感の演出に一役買ってくれます

特に夏場なんかはキンキンに冷やした銅マグで飲むと堪らないです

冷たさで頭は冴え渡りとてもスッキリした気分でバーでの時間を過ごすことができます

 

自宅で作る際も銅マグを1つ持って置けば最高にクールなモスコミュールを堪能することができます

モスコミュール以外にもスカイボールのようなカクテルやアイスコーヒーなどを楽しむのにも最適です

興味が湧いた方は1つ手元に持っておいてみてはいかがでしょうか?

 

 

オススメのウォッカの銘柄

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http://yoru-cafe.com/21/

 

モスコミュールといえばスミノフで作るものをイメージする方も多いですが、極端に品質の悪いものでない限り好みの銘柄を使用するのがいいでしょう

むしろグレイグースやシロックのようなプレミアムウォッカを使用して作るのは個人的には少し勿体無いかな、という感覚があります

というのもモスコミュールに使われるジンジャーエール、またはジンジャービアは生姜の風味が強く、プレミアムウォッカのような繊細な風味をかき消してしまう恐れがあるからです

なので700ml 1000円台ほどののスタンダードで癖の無い味のウォッカを使うのがオススメです

ストリチナヤアブソルートといった雑味の少ないものならなんでも問題無いかと思います

個人的なオススメは澄んだ味が特徴のスカイウォッカですね。キリッとした爽快な風味がモスコミュールとはよく合います

 

 

 

ジンジャーエール、ジンジャービアの銘柄

次にモスコミュールの味の決め手となるジンジャーエール、ジンジャービアの選定について見ていきましょう

ウォッカは雑味の無い無難な銘柄を使うことをオススメしましたが、ジンジャーエールはモスコミュールの味の大部分を占める要素

なのでこだわるのならここかな、と私は思います

ジンジャーエールとジンジャービア、それぞれで私のオススメの銘柄を選んでみたので紹介したいと思います!

 

ジンジャーエールのオススメ銘柄 

まずジンジャーエールを使う場合。やはりウィルキンソンの瓶入りのジンジャーエールを使うのがベターだと言えるでしょう

 

 

スタンダードなものと辛口タイプのもの、2つのバリエーションがありますが、どちらも生姜のフレーバーが鮮烈でモスコミュールをキレのある美味しい味に仕立て上げてくれます

なので辛さのお好みに応じてどちらかを選んで使うのがいいかと思います

定番にして最高峰。迷ったらこちらをベンチマークとして使用するのがいいでしょう

 

私のオススメは「g」表記のラベルが目印の辛口タイプです

初めて飲んだときは「これはあまりにも刺激的すぎる!」と感じるかもしれないですが、慣れてくるとこの辛味がクセになってきます

バーでよく使われるのもこの辛口タイプなので、本格的な味を目指したいという方はぜひ一度おためしください!

 

ジンジャービアのオススメ銘柄 

続いてジンジャービアを使う場合。こちらも様々な銘柄がありますが、個人的なオススメはフェンティマンスのジンジャービアです

 

 

海外のバーでモスコミュールを作る際によく使われている銘柄で、生姜の他に数種類のハーブやスパイス類を原料として作られています

かなり飲みごたえのある重厚な味で生姜もかなり効いています

ジンジャーエールと違い甘味が少ないので最初に飲んだ時は少し戸惑うかもしれませんが、これで作ったモスコミュールはドライで香り高いとても素晴らしい味になります

あまり一般には流通していないので入手するのは少し難しいのですが、酒屋などで見つけた際はぜひ手にとってみてもらいたいです

 

その他の銘柄ですと本格派トニックウォーターで有名なフィーバーツリーのジンジャービアもオススメです

 

 

こちらは前述の2銘柄とは少しベクトルの違う、上品さを感じる味です。炭酸も控えめなのでゆっくりと嗜みたい時なんかはこちらの方が雰囲気が出ると思います

ジンジャービアと銘を打っていますが、ジンジャーエール寄りの甘味のあるフレーバーです

辛口すぎるのは苦手!という方にはこちらの銘柄がベストでしょう。そのまま飲んでもとても美味しいですよ

 

 

自家製ジンジャーウォッカを使う

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モスコミュールを作る際にぜひ試していただきたいのがこちら

ウォッカに生の生姜を漬け込んで作る自家製ジンジャーウォッカです

 

作り方は煮沸消毒して乾かした瓶によく洗って水分を拭き取った生姜を皮付きのまま容器に入れ、その2倍量ほどのウォッカを注ぎ1ヶ月ほど待つだけ

わざわざ別の瓶を使うのがめんどくさいという方はウォッカの瓶に生姜を細切りにして入れてもOKです

ただ刻んだ生姜を使うと早く出来上がる反面、ウォッカに濁りが出てくるので注意です

 

使用する生姜の種類は一般的な根生姜を使ってもいいですが、季節物の新生姜を使うとより香りがフレッシュになります

この自家製のジンジャーウォッカを使ったモスコミュールはフレッシュな生姜のフレーバーと辛味がなんとも刺激的で堪らない味わいです

モスコミュールというありふれているカクテルがプレミアムな唯一無二のカクテルとなります!

 

味も調整が効き、個性が出せるので最近ではバーで自家製のジンジャーウォッカを使ったカクテルを提供しているところも出てきていますね

生姜の他にもシナモンやクローブなどのスパイス、蜂蜜を少量加えても美味しいです

合わせるジンジャーエールの味との相性を考えて、生姜の量や甘みを調整してみましょう

 

 

さいごに

基本のカクテルながら奥の深いモスコミュール

このように材料や作り方をこだわれば、飲んだ人の印象に強く残る素晴らしい味のカクテルになります

手軽に作って気軽に味わうのもいいですが、たまには少しこだわりを持って作ってみてはいかがでしょうか?

こだわりのカクテルとともに過ごす時間は、あなたにとって特別なひとときとなることでしょう!

 

苦味酒「ビターズ」の魅力と使い方【カクテルの幅が広がる】

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こんにちは、scarlet@alaska_nomilog)です。

 

自宅で、カクテルを作っています。

ビターズは、スパイスから自作しちゃうくらい大好きです。

 

今回は、苦味酒「ビターズ」について書いていきます。

 

 

この記事を読むと、

  • ビターズとは何なのか?
  • ビターズの使い方とカクテルレシピ
  • おすすめのビターズ

を、知ることができます。

 

使いこなせば、いつものカクテルはより味わい深く。

レシピの幅も、ググッとひろがります。

 

使い方を見ながら、その魅力に触れてみましょう。

力強いスモーキーな味わいが特徴 - タリスカーのオススメの飲み方について解説

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https://talisker-online.jp/life_with_talisker/isleofskye_trip02/

 

タリスカーはスコットランド、スカイ島で製造されるシングルモルトウイスキーです

スカイ島は1700k㎡ほどの小さな島ですがスコットランドの中では2番目に大きな島です。豊かな自然を有しており、島の情景はまさにダイナミックの一言。ダンヴェガン城のような歴史的建造物や古代のモニュメントも存在しており、文化遺産としての側面でも興味をそそられるロケーションです

 

そのような環境下で作られるタリスカーですが、味の方もインパクトの強いものとなっています

潮の香り、スパイシーな味、強いスモーク香などが特徴で数あるウイスキーの中でも個性的な味わいを持っています。ボウモアやラフロイグなどに代表されるアイラモルトに近い味わいとも言えますが、個人的には少しニュアンスが違うようにも感じます。アイラモルトよりも攻撃的でストレートな、いい意味でわかりやすい味わいといったところでしょうか

塩気や強いスモーク香に隠れて、熟成に使用したバーボン樽とシェリー樽由来と思われる甘さもかすかに感じます。第一印象は攻撃的の一言ですが飲み進めていくうちに華やかで繊細な側面に気づくことができるというのも面白いところです

 

 

飲み方別の味の解説

例のごとくさまざまな飲み方でタリスカーを飲んでみました

今回レビューするのはタリスカー10年。さまざまなバリエーションが展開されているタリスカーの中でもっともスタンダードな銘柄です

 

やはりどの飲み方でもスモーキーな香りが全面に出て、やや癖の強い味わいだと感じます。ただその分、その荒々しい風味に虜になった方はこのウイスキーから離れられなくなる、そんな魅力を持つモルトだと思います

スモーキーなウイスキー、特にアイラのウイスキーが好きな方は試す価値のある銘柄です

それでは私個人が印象に残った飲み方についていくつか紹介していきたいと思います

 

ストレート

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https://whiskyreviews.net/2016/02/09/talisker-10-year-old/

 

グラスに注ぐと、タリスカーの特徴であるスモーク香がふわりと漂います

口当たりはサラッとしていて比較的スムース。しかし刺激的なスパイシーさがあります

味の方は甘みよりも塩気、苦味を強く感じる印象。男性的で力強い味わいといったところです

香りの方はやはりスモーキーさが際立っており、樽香やモルトの香りはやや控えめ。シンプルでメリハリが効いた分かりやすい香りだと感じました

ストレートで飲むとアルコールの当たりも強めなので万人に勧めることのできる味わいとは言えませんが、ガツンと力強い味わいが好みの方にはうってつけだと言えます

じっくりとタリスカーの潮の香りとスパイシーな味わいに浸りたい方はストレートで飲むことをオススメします

 

水割り

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https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13118284/

 

水割りにしてもタリスカーの強い個性は健在です

この飲み方ですと後味に特色が出てきます。ストレートで飲んだ時にも感じられたスパイシーな風味が口の中に鮮やかに残り、なんとも爽やかな気分にさせてくれます

これは他のウイスキーの水割りでは中々体験できないタリスカーの個性と言えます

 

加水されたことで香りも拡がりスモーキーさも際立ちます

ただ味のほうは甘めの風味がよく出てくるようになります。それにつられてスモーク香の奥に潜んでいたカラメルのような香りも全面に出てきて、ストレートで飲んだときとはずいぶん印象が変わってきます

刺激的だが上品な甘さもある、なんとも忘れがたい味わいの水割りだといえるでしょう

 

ハイボール

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https://talisker-online.jp/life_with_talisker/tag/%E9%A3%B2%E3%81%BF%E6%96%B9/

 

色々な飲み方を試してみて1番印象に残ったのがハイボール。タリスカーのハイボールにはファンが多いと聞いていましたが納得の味わいでした

ソーダで割ることによりドライさが強調。炭酸の反発により香りにも複雑さが増しています

なによりスモーキーさと苦味、甘み、酸味のバランスの調和が素晴らしい。タリスカーのウリである男性的ともいえるパワフルな味わいを十二分に堪能することができます

このタリスカーのハイボールを飲んで思い浮かべるのは荒波の中を航海する船のような緊迫感溢れる光景でしょう

それほどまでに刺激的、爆発的な味わいを持っていると私は思っています

 

作る際はタリスカー1に対して炭酸水3ほどの割合にするのがベターです。濃い目で作ることによって刺激的な味わいに拍車がかかりますが、それがまた堪らない

もちろんこれは私個人のオススメの割合というだけなので、1:4や1:5の割合で作っても問題ありません。強い個性は炭酸水を少し増やした程度では無くならず美味しく頂くことができます

少し変化球的な作り方としては黒コショウをトッピングするというのもオススメです。タリスカーの持つ、スパイシーな香りを引き立て味わいにもアクセントが生まれます。

挽き立ての香りのいいものを仕上げに振りかけてみましょう

 

バランタインやジョニーウォーカーのハイボールに近い味わいを持っていますが、より個性的なパンチの効いた味わいだと感じます

タリスカーを飲むのならこの飲み方で決まりだ、と自信を持って勧めることができる完成度の高さがあります

刺激的な味わいのハイボールは、ほのかな甘みのあるナッツ類とも良く合います。おつまみが欲しい気分の時はぜひ試してみてください。筆者イチオシです!

 

 

さいごに

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http://colorflair.exblog.jp/13314020/

 

刺激的な味わいを持つタリスカーの魅力について解説してみました

タリスカーのバリエーションとしては前述の通り10年熟成のものが基本となりますが、より刺激的な味わいを求める方にはタリスカーストームという銘柄もオススメです。こちらはタリスカーの個性である潮の風味やスパイシーさを際立たせた銘柄。まさにその味わいは嵐のごとく。私が初めて飲んだのはバーでのことでしたが、思わずその刺激的さに笑ってしまうような忘れがたい味です

 

ウイスキーと言えばどこか知的なイメージが先行しがちですが、タリスカーはそれとは少し異なるワイルドなイメージ。たまには気取らず、本能的に、このモルトを味わってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

「ミクソロジーカクテル」とは何か?その技法について紹介します

ミクソロジーカクテルとは?

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現代に入り、めざましい進化を遂げる飲食業界。

それは、アルコールの世界でも例外ではありません。

現代のバーシーンではミクソロジーカクテルと言われるものが流行しています。

 

ミクソロジーカクテルとは今までにない材料、調理技術で作られるカクテルのことです。

 

その技法を使って作られたカクテルの魅力は、なんといってもその独自性にあります。

それでは、ミクソロジーカクテルにはどういったものがあるのか?

今回は、その技法について紹介をしていきたいと思います。

 

 

リキッドナイトロジェン

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https://bar-zolddich.com/archives/933

 

リキッドナイトロジェンとは液体窒素のことです。

その名の通り液体窒素を使いカクテル材料を氷結させて、フローズンカクテルを作る技法のことを指します。

 

大きなボウルにカクテルの材料を入れ、液体窒素を注ぎ、材料を氷結させる方法が一般的。

それを混ぜると液体窒素が気化し、冷やされた材料が残るので、それを食べるカクテルとして提供します。

 

この技法を使う利点は、濃い味わいのカクテルを作ることができること。

通常のフローズンカクテルは、クラッシュドアイスを使うため、どうしても水っぽくなってしまいます。

 

一方、リキッドナイトロジェンの技法を使うと、氷などを使わないためアルコール感のある濃い味わいのフローズンカクテルを作ることができるというわけです。

 

この技術を使って作られる代表的なカクテルはフローズンモヒート。

材料は通常のモヒートとほぼ同じですが、仕上がりは全くの別物。

口溶けが滑らかな上質なジェラートのようなカクテルとなります。

通常のモヒートよりもミントとライムの香りが強く感じられ、ラムのアルコール感も強めです。

 

初めて口にした時の衝撃はなかなかのものでした…これが次世代のカクテルなのか、と驚愕した覚えがあります。

 

エスプーマ

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http://www.schoentrinken.at/gin-tonic-mit-lime-espuma/

 

エスプーマとは特殊な器具で材料を泡状にする技法です。

スペインのレストラン「エル・ブリ」のシェフが料理に使用した事で話題を集め、画期的な手法として世界中に広まっています。

 

泡のソースを使用した料理をテレビやネットなどで目にしたことのある方もいるのではないでしょうか?

その泡が近年では料理だけではなく、カクテルにも応用されるようになったのです。

 

エスプーマを使うことで口当たりを軽くするという効果もあるのですが、味の感じ方も変わるのが面白いところ。

 

泡になった材料は舌に触れる表面積が大きくなりますが、中に空気を含んでいるため質量は当然少なくなります。

そのため塩気や甘みなどの味が、含まれている成分以上に強く感じられます。

つまり、砂糖やシロップの量を抑えた薄めの味つけでも味が濃いように感じるのです。

 

そのおかげで塩気や甘み以外の要素、つまり材料の風味や旨みなどがハッキリと感じられるようになります。

味付けの影に隠れていた繊細な風味もクッキリ。

なおかつ甘みや塩気も十分感じることができます。

 

塩のエスプーマなどが面白い例ですね。

エスプーマを乗せたブラッディーメアリーを口に含むと、まずは強い塩気を感じます。

ですがその味は一瞬で消え、後から口に入ったトマトの風味がとてもフルーティに感じられます。

 

塩のエスプーマの味で舌がリセットされてトマトの甘みが強調された、というわけです。

これが普通の塩で味付けされたものなら、強すぎる塩気で味のバランスは崩れていたことでしょう。

 

スローイング

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https://www.broadsheet.com.au/sydney/food-and-drink/200-years-lagavulin-scotch--syd

 

スローイングとはステア、シェイクに次ぐ新たな材料のミックスの方法です。

 

簡単なやり方としては、まずボストンシェーカーとストレーナーを用意します。

そしてパイントグラスにミックスする材料をすべて入れ、ティンには氷を入れます。

ティンにストレーナーをはめ、顔の位置ほどの高さから腰の位置ほどに持ったパイントグラスに落とし入れます。

そしてまたティンに戻す。

 

この作業を5〜6回繰り返して、材料が冷えたら完成です。

ただ材料を行ったり来たりさせているだけに見えるかもしれませんが、液体を落とすことによって揮発成分が飛び、材料に空気が混ざります。

これによりカクテルがまろやかな味になり、香りも立つというわけです。

 

この技法を使って作られる代表的なカクテルはブルーブレイザー。

ウイスキーに熱湯と砂糖を加えて、スローイングをしたカクテルです。

 

面白いのは、混ぜた材料に火を付けてスローイングするところ。

青い炎がマグを往復する様子は、パフォーマンスとしても見応えがあります。

 

インフュージョン

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インフュージョンとは果物やハーブ、スパイスを液体に漬け込む技法です。

お酒を使う場合は、いわゆる漬け込み酒。

日本古来の果実酒、梅酒もインフュージョンの一種となります。

 

今までに紹介した技法に比べて簡素ですが、その可能性は無限大。

漬け込む材料次第で、様々な味の自家製リキュールを作り出すことができます。

 

インフュージョンを使って作られたカクテルはまさに世界に1つだけのオリジナルレシピ。

昨今は、カクテルにもオリジナリティが求められる時代です。

自家製のリキュールを使ったカクテルを作ることは、この時代に適応するために最適な方法だと言えるでしょう。

 

私もこれまでにインフュージョンで色々な自家製リキュールを作っています。

作り方をまとめてあるので、興味が湧いたら目を通してみて下さい。

 

 【バラの漬け込み酒】自家製ローズリキュールの作り方と美味しい飲み方を紹介 - NomiLOG

 【自家製カルーア】ラムとウォッカでコーヒー酒を作ってみました - NomiLOG

twitterで話題のいちごウイスキー。色々な銘柄で作ってみました - NomiLOG

 

スフェリフィケーション

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http://www.molecularrecipes.com/molecular-mixology-class/

 

スフェリフィケーションとは科学物質を使い、カクテル材料を球状に変化させる技法です。

 

できたカクテルは、さながらイクラのような出で立ちに。

その見た目からスフェリフィケーションで作られたカクテルはキャビアカクテル、なんて呼ばれたりもします。

 

完成したカクテルは、まさに食べるカクテル。

プチプチと小気味よい弾力があり、噛み締めるとカクテルの味が一斉に口の中に広がります。

なんとも心地よい楽しさがありますね。

 

単体で食べるだけではなく、通常のカクテルに入れてアクセントを加えたりと、応用の幅も広いです。

 

スモーク

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https://www.pinterest.jp/onealdwych/the-lobby-bar/

 

文字通り燻煙を使ってカクテルに燻香を付ける手法です。

 

ハンディタイプのスモークマシンを使ってカクテルに煙を振りかけて風味を付けます。

デキャンタに煙を閉じ込めたり、シェイカーに煙を入れて一緒にシェイクしたりと、その方法もさまざまです。

燻煙材の種類によって風味がガラリと変わるのも面白いところ。

 

この技法を使って作られたカクテルは、なんとも言えない香ばしい風味をまといます。

なんで燻製の香りってこんなに魅力的なんでしょうか…。

太古の野生の記憶が呼び覚まされるのでしょうかね?

 

ちなみにスモークと相性のいい材料は限られてきます。

生クリームなどの乳製品やウォッカなどは、薫香が乗りやすいのでよく使われますね。

煙の風味とよく馴染むのはフルーツならリンゴ、お酒ならバーボンなどのブラウンスピリッツ。

ネグローニをスモークしたレシピなんかも見たことがあります。

 

 

ミクソロジーカクテルに挑戦したい方はレシピブックを読んでみましょう!

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ミクソロジーカクテルは専用の機器を使って作られるものがほとんど。

ですが、自宅で再現できるものも中にはあります。

 

液体窒素やエスプーマの道具を揃えるのは、少し現実的じゃないですが… (笑)

スモークやインフュージョンなら比較的、お手軽に作ることができますよ。

 

自宅でミクソロジーカクテルに挑戦してみたい!

という方は、ミクソロジーのレシピブックを読んでみてください。

 

私が読んでみて「良かったな」と思ったのは次の3冊。

 

いしかわあさこ氏編集の「The art of advanced cocktail」

こちらは、ミクソロジー技術全般についてレシピ付きで詳しく解説してあります。

 

 

同じくいしかわあさこ氏編集、「Standard cocktails with a twist」

こちらは、スタンダードカクテルを元にした斬新なアレンジレシピが沢山載っています。

 

 

最後に「Mixology cocktail」

こちらは、人気のバーで実際に提供されているカクテルが多数登場します。

 

 

まず最初に選ぶのなら、「Mixology cocktail」がオススメでしょうか。

特別な道具がなくても作れるレシピが沢山載っていますので。

 

とりあえずは気になった本に目を通してみて、まずは作れそうなものからチャレンジしてみてください!

 

バラを使った自家製ローズリキュールの作り方【飲み方も紹介】

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こんにちはscarletです。

最近インフュージョン(漬け込み)によるホームメイドリキュール作りにハマっています。

 

 

作り方も簡単。

好きな材料でお酒を作れるし、自分だけの味が出せるし、いいことづくめです。

 

ということで今回は、最近作った自家製リキュールの中から、バラのリキュールの作り方を紹介しようかと思います。

 

 

バラのリキュールの材料

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 バラの花びら(ドライタイプ)  約3g

 ウォッカ 約200ml

 氷砂糖 約80g

 レモン  1/2個

 シナモンスティック  1本

 

今回はこのような材料と分量で作ってみました。

 

漬け込む材料に特に決まりはないので、この他にも自分好みのハーブやスパイスを加えてみるのがいいかと思います。

 

それでは各材料について、解説していきます。

 

バラの花びら(ドライタイプ)

まずは、メインとなる材料のバラの花びら。

今回は、手軽に手に入るドライタイプのものを使用しました。

 

ドライフラワーはハーブの専門店、輸入食品店などで購入することができます。

もちろんフレッシュなバラが手に入る方はそちらを使用してもOKです。

 

食用ではない花には、農薬が添加されている場合があります。

なので、自宅の庭などで育てたものを使うのが無難でしょう。

 

※生のものを使う場合は、ドライタイプの分量の2倍ほどの量を使用してください。

 

 

ウォッカ

今回は、ベースにウォッカを使ってみました。

 

使った銘柄はストリチナヤ。

このあたりは、癖の無いものならなんでもいいと思います。

 

この他ですと、ちょっと値ははりますが、グレイグースもおすすめ。

華やかな香りを持つウォッカなので、バラの香りとよく合います。

 

 

氷砂糖

甘みを付けるため、そして浸透圧により漬け込む素材のエキスを抽出するために氷砂糖を加えます。

 

氷砂糖はゆっくりと溶け出すため、材料の成分が漬け込むお酒に泌みだしやすいとのことです。

興味がある方は原理を調べてみてください。

 

ただ今回は、メインの材料が成分が解け出しやすいドライタイプの花びらなので、グラニュー糖などで代用しても構わないと思います。

 

参考までに分量を記載しましたが、この辺りは味を見ながらお好みで。

材料を取り出した後に追加しても構わないので、最初はザックリの分量で作っちゃいましょう。

 

レモン

フレッシュな酸味を加え、鮮やかな色を出すために入れました。

 

使うのは、皮を剥いた果肉の部分です

 

皮を漬け込むのもアリだと思いますが、今回はスッキリとした味に仕上げたかったので、見送り。

 

皮も漬ける場合は、表面の黄色い部分をなるべく薄く剥いて加えてみてください。

内側の白い部分まで使ってしまうと渋みや雑味が出てくるので注意です。

 

シナモンスティック

スパイスは、バラの香りによく合うシナモンを選びました。

 

このようにスパイスを加えることで、香りに奥深さが生まれます。

シナモンには、リラックス効果や血流改善の効果もあるので、バラの成分との相乗効果が期待できそうです。

 

 

 

バラのリキュールの作り方

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1.瓶を煮沸消毒してよく乾かす

2.レモンの皮をカットし果肉の部分を取り出す。皮も漬け込む場合はピーラーなどで表面の黄色い部分のみを薄く削ぐ

3.材料を瓶に入れウォッカを注ぎ冷暗所で保存する

4.約1週間後に漬け込んだ材料を茶漉しなどで濾して取り出し完成

 

瓶に材料を入れて、ウォッカに漬けるだけ。

簡単ですね。

 

漬け込みっぱなしにしていると渋みや雑味が出てくるので、バラの色素が抜ける1週間を目安に取り出します。

バラの色が白っぽくなってきたら、程よく成分が抽出された証拠です。

 

今回はバラの渋みを抑えたかったので4日ほどで取り出してみました。

短期間でも、しっかりと色と香りをお酒に移すことができましたね。

 

最後に味見をして甘みが物足りないと感じたら、グラニュー糖などを少しずつ足してみてください。

 

 

バラのリキュールの味わい

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キレイなピンク色のリキュールができました。

 

見た目が本当にキレイですね。

これほど鮮やかな色が出せるとは、驚きです。

 

味の方も素晴らしいです。

優雅で爽やかな香りが、鼻腔をくすぐります。

 

作ってみて感触をつかめたら、どんどん自分好みにアレンジしてみましょう。

アニス系のリキュールが好きな人は、スターアニスを加えるのなんか、オススメですよ。

 

 

バラのリキュールを使ったカクテル

ストレートやロック、水割りなどでも美味しくいただけますが、カクテルにすると、より深く楽しむことができます

 

自家製のリキュールを使う事によって、カクテルに独自性を持たせることができます。

私が試したものを、例として紹介します。

 

ローズトニック

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レシピ

  自家製ローズリキュール 1/4

  トニックウォーター 3/4

 

グラスに氷を詰めてローズリキュールを注ぎステア。

その後にトニックウォーターを注ぎ軽く再ステアする。

 

リキュールのカクテルの定番、トニック割りです。

 

トニックの苦味と酸味が加わる事により、飲みやすくバランスの良い味わいとなります。

 

トニックを注いだ時の色合いも綺麗。

見た目にも鮮やかなカクテルです

 

 

ジャックローズ

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https://gochiso-saga.com/sphone/syunya_sagameshi/saganaji/detail.php?id=1682

 

レシピ

 カルバドス 30ml

 自家製ローズリキュール 10ml

 グレナデンシロップ 10ml

 ライムジュース 10ml

 

材料をすべてシェイカーに入れシェイクし、カクテルグラスに注ぐ。

 

ジャックローズに、ローズリキュールを加えたレシピです。

 

バラの香りが加わることで、華やかさが生まれています。

飲みごたえがあるのに、余韻はスッキリ。

なんともいえない、複雑な味わいとなりました。

 

バラと柚子レモンのカクテル

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レシピ

  自家製ローズリキュール 1/4

  柚子レモンジュース 3/4

 

グラスに氷を詰めてローズリキュールと柚子レモンジュースを注ぎステアする

 

試しに組み合わせてみたら、相性抜群でした。

甘酸っぱい味わいが、バラとよくマッチします。

 

手軽に割り材が手に入りますし、作るのも簡単。

それで、この味が出せるのは素晴らしいですね。

 

 

自家製バラリキュールの華やかさを楽しもう

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意外と簡単に作れる、バラのリキュール。

その味は、売り物のリキュールと比べても遜色がありません。

 

作り方さえ分かってしまえば、他のドライハーブでもリキュールを作ることができます。

ぜひ、漬け込み用のビンを揃えてトライしてみてください。

 

海の香りのアイラモルト「ボウモア」の魅力とオススメの飲み方を解説

アイラモルトの女王とも言われるボウモア、その味の特徴

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http://mind-the-gap-london.blogspot.jp/2016/03/blog-post_13.html

 

ボウモアはアイラ島最古の蒸留所で作られるシングルモルトウイスキーです

蒸留所はアイラ島の中心、ロッホインダール湾を望む浅瀬に建造されています

 

アイラ島のウイスキーといえば個性的なフレーバーが特徴。このボウモアも例外ではなく個性豊かな味となっています

ボウモアの特徴は、まずなんといってもそのスモーキーフレーバーと潮の香り

これはアイラ島で取れる海草を含んだ泥炭(ピート)によって香り付けがされていることと、ウイスキーが製造されている環境に起因しています

一般的なウイスキーと比べてかなりスモーキーな部類に入りますが、アイラモルトの中ではまだ少々穏やかな方

ウイスキーにどれだけ煙たい風味が付いているのかを「PPM」という単位で表すのですが、このボウモアは27PPMほど。アイラモルトの代表格の一つであるラフロイグは50PPM、アードベッグは60PPMほどとなっています 

もちろんボウモアの魅力はそれだけではありません

スモーキーなウイスキーはこの他にも数多く存在しています。そんな中でこのモルトが深く愛され続けているのには理由があります

 

ボウモアの最大の特徴。それは上品さを感じる風味とバランスの良さだと私は思います

スモーキーさの奥に隠れた、花のような香り、チョコレートのようなコク、蜂蜜のような甘い香り…

それらの香りを柔らかな潮の香りが包み込みこむことで、優雅で上品な仕上がりとなっています

ボウモアは「アイラモルトの女王」とも称されているのですが、まさにそのイメージにピッタリの味です

 

 

ボウモアの製法について

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http://n-log.jp/barnagata/237411.html

 

ではボウモアのその特徴的なフレーバーはどのようにして生み出されているのでしょうか?

その製法についてみてみたいと思います

 

完成度の高い味を持つボウモア。やはり製法にも随所にこだわりが感じられます

まず麦芽の発酵工程。この蒸留所ではフロア式モルティングという技法がとられています

フロア式モルティングとは、ウイスキー作りの大麦を発芽させる工程を広いフロアの床面で行う方法です

潮風の吹きぬけるフロアの一面に大麦を広げます。そして4時間毎に撹拌が繰り返され、24時間体制で麦芽の状態が管理されます

撹拌の作業はすべて手作業。手間とコストがかかる重労働です

このような手間のかかる作業を続けることで、ボウモアはその味と品質を守り抜いているのです

 

その工程の後にピートを焚いた煙で麦芽の乾燥と香り付けがされます

そして麦芽から麦汁を採取し発酵がなされ、その後に蒸留

蒸留された原酒はホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽に入れられ、熟成の工程へと入ります

ボウモアはこの熟成の工程で華やかで優雅な風味をまといます

 

ここで面白いのは熟成の工程でボウモアがさらされる環境

ボウモアの蒸留所は海抜ゼロメートルに位置しているため、樽が眠る貯蔵庫には波しぶきが打ち寄せます

ボウモアの海藻を思わせる香りは、ピートの由来によるものが大きいとは思うのですが、私はこの海風にさらされる環境の影響もあるんじゃないかと思っています

 

モルトに溶け込むような自然で、かつ力強い香り

この香りはアイラの自然の恵みを全身で受け止めることで生まれているのでしょうね

 

 

ボウモアのラインナップ

それでは次に代表的なボウモアの銘柄について解説したいと思います

近年ではさまざまなバリエーションのボウモアが販売されています。初めてこのモルトを飲むという方はどこから手を出していいものか迷うことかもしれませんね

やはり基本となるのはボウモア12年。それから好みに応じて手を広げていっていただきたいと思います

 

ボウモア12年

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http://kin-shu.com/?p=416

 

まずはスタンダードな銘柄である12年

アイラモルトに慣れていない人が飲むとピーティーでスモーキーなその風味に辟易してしまうこともありますが、慣れてくるとボウモアが持つ豊かな香りの素晴らしさに気づくことができます

口に含むと薫香とヨード香の後にレモン、ハーブ、蜂蜜とさまざまな香りが押し寄せてきます

味にはかすかな塩気を感じ、アイラモルト特有のほろ苦さと甘さが渾然一体となりどこか上品さを感じます

そしてさまざまな香りや味がボウモア最大の特徴である潮の香りによって優しく包まれています

このモルトを飲んだときに思い浮かぶ光景はボウモア(大いなる岩礁)の名の通り、荒々しい波が打ちつけられる岩礁でしょう

 

12年の熟成期間を経たボウモアは味や香りにフレッシュさも感じることができます

とはいえアルコールの当たりも特にキツいという事はなく、スモーキーさもアイラモルトの中では中位

まさに入門用としてアイラモルトの全体像を知るには最適な一本だと言えます

 

私のオススメの飲み方としてはストレート、またはトワイスアップですね

やはりこのような完成度の高いモルトはそのままに近い状態で飲むことで良さが分かります

ほんの少しの加水をすると香りが開き、甘さが際立つのも面白いです

その他ですと、ハイボールで飲むのが好きという方も結構いるみたいです

ピート香が際立ち、爽やかさも出てくるのでドライな味わいが好きだという方は試す価値ありですね

 

 

ボウモア18年

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https://shop.dornoch.jp/products/detail.php?product_id=29

 

こちらは18年熟成のモデル。長い熟成期間によってより色濃く、香り高くなった至高の一本です

レモンのようなフレッシュさを感じる香りは少し抑えられた印象を感じますが、それと引き換えにチョコレートや蜂蜜のような濃厚な香りを強く感じます。もちろんボウモア特有の潮の香りも健在です

味の方はほろ苦さとかすかな塩気に加え、シェリー樽の甘みが際立っています

このあたりは長期熟成により樽の持つ香りや味わいが色濃く出ているものかと思われます

そしてやはり口当たりが非常にマイルドになっているのが素晴らしいです

口に含んだウイスキーがふんわりと優しく浸透していく心地よさは、このような長期熟成のものでしか味わえません

香りが凝縮されたことにより余韻も長く感じます

 

飲み方としてはやはり香りや味わいを存分に楽しむことができるストレートがオススメです

一人で、じっくりと、このモルトが作られた環境や背景に思いを馳せながらグラスを傾ける…そんな嗜み方がよく似合うウイスキーです

 

もちろん長期熟成のモデルだけあって値段もそれなりに張ってしまうのですが、一本手元にあると日常に幸せが寄り添うような気分にさせてくれることでしょう

なにかいいことがあった日なんかに自分へのご褒美として手にとってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

さいごに

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ボウモアの特徴とその魅力について分かっていただけたかと思います

最後に余談として小話を一つ。

 

自分語りのようになってしまって申し訳ないのですが、私は幼少の頃によく海釣りをしていました。休みになると朝から海に出かけ、暗くなるまでひたすら釣りに没頭していた覚えがあります

そのような思い出があるので、私にとってボウモアの潮の香りとほろ苦い味わいは幼少時代への郷愁を覚えるものだと感じます

数あるモルトの中でボウモアは特にお気に入りなのですが、こうした経験が影響しているのかもしれません

 

もし私と同じように海への思い入れがあるという方はぜひこのボトルを手にとってもらいたいと思います

久しく潮の香りを嗅いでいない、という方は特にグッと来るものがあるのではないでしょうか 

 

ハーブリキュール「スーズ」の魅力とカクテルレシピ

こんにちは、scarletです。

 

自宅でカクテルをよく作ります。

ハーブリキュールも好きなので、よく使っています。

 

今回は、「スーズ」というリキュールの魅力について書いていきます。

 

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「黄色のカンパリ」なんて呼ばれることもあるお酒ですね。

バーの世界では、古くから愛されています。

 

この記事では、

  • スーズの特徴と味わい
  • どんなところが魅力なのか?
  • 自宅でもできるおいしい飲み方

といった感じで、解説していきたいと思います。

 

 

スーズって何のリキュール?その特徴と味わいについて

 

スーズはフランス製のハーブリキュールです。

主な原料はゲンチアナという植物の根。

あまり聞き覚えがないかもしれないですが、漢方薬などの材料として使われている植物です。

 

味としては薬草由来の独特な香りとほろ苦さがあります。

身近なもので例えるなら、栄養ドリンクや漢方薬のような風味が近いでしょうか?

ただ、バニラやオレンジなどの風味もあるので薬臭い感じではないですね。

飲み口も非常にマイルド。

飲むと思わず頬がゆるんでしまうような、自然で優しい味わいとなっています。

 

ちなみにこのスーズ、液色は鮮やかなイエロー。

黄色いカンパリと呼ばれる由来は、まさにここにあります。

日本での知名度はカンパリと比べると今ひとつといったところですが、味わいのクオリティは決して負けてはいません。

個人的に好きなリキュールなので、カンパリのように人気が出て、広く流通してくれることを願うばかりです!

 

 

オススメの飲み方とカクテルのレシピ

スーズは甘くほろ苦い味わいが特徴。

白ワインや柑橘系の果物と好相性です。

鮮やかな黄色でカクテルにしたときの見た目も非常にキレイ。

薬草による健康効果も期待できるので女性の方にも勧めたくなりますね。

 

それでは今回もロングカクテルからショートカクテルまで、オススメの飲み方をいくつか紹介しようかと思います!

 

スーズトニック

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【材料】

スーズ  1/4

トニックウォーター  3/4

 

【作り方】

グラスに氷を詰め、スーズを注ぎステアする。

その後トニックウォーターを注ぎ軽くステアする。

 

まずはスタンダードなトニック割りを紹介。

家飲みでもバーでも気軽に飲むことのできる一杯です。

 

トニックで割ることにより苦味と甘み、酸味のバランスが取れた味に。

炭酸の刺激でスーズの持つ食欲増進の効果もいっそう高まります。

ジントニックのようにライムやレモンを絞るのもオススメです。

 

水割り  ソーダ割り

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https://www.garow.me/media/1494904618135366077_4670966725

 

【材料】

スーズ  1/3
水 or 炭酸水  2/3

 

グラスに氷を詰め、スーズを注ぎステアする。

その後水または炭酸水を注ぎ軽くステアする。

 

スーズのふくよかな香りを堪能したい方は、シンプルに水割りやソーダ割りにするのがベターです。

 

個人的なポイントとしては少し濃い目の割合で作ること。

このくらいの割合ですと香りや甘さのバランスも良く、適度な飲みごたえもあります。

水割りの方はゆったりと落ち着いて楽しむイメージ。

一方、ソーダ割の方は暑い日に乾いた喉を潤すようなイメージですね。

飲むときのシチュエーションによって割り材を選んでみるのも面白いと思います。

 

エチュード

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【材料】

スーズ 30ml

シャンパン Full up

 

【作り方】

フルート型のシャンパングラスにスーズを注いだ後シャンパンを静かに注ぐ。

 

スーズと相性のいいシャンパンを合わせたカクテル。

シンプルなレシピですが奥深いゴージャスな味わいです。

 

スーズとシャンパン、どちらも食欲増進の効果を持つお酒なのでアペリティフとして最適なカクテルといえます。

(ただ度数がそこそこあるので結構飲みごたえはあります)

 

もちろん、自宅などで作る場合はスパークリングワインを使ってもOK。

細やかな泡立ちと鮮やかなビタミンカラーで見た目の良さもピカイチ。

ホームパーティなどで食前酒として振舞えば、場も盛り上がることでしょう!

 

スーズギムレット

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【材料】

スーズ  45ml

ライムジュース  15ml

 

【作り方】

材料をシェイクしてカクテルグラスに注ぐ。

 

ジンで作るショートカクテル、「ギムレット」のベースをスーズに変えたカクテル。

元となったギムレットはドライでシャープな味が特徴的ですが、こちらは度数の低いスーズを使用しているのでかなり飲みやすい印象です。

 

味の方は、ライムの酸味でスーズの甘さがキリッと引き締まったようなイメージ。

スーズをそのまま飲む場合と比べると、ずいぶんと輪郭がシャープになります。

シェイクによって加水がされるので飲み口は非常にスムース。

するっと気持ちよく喉を通っていくような感覚を味わうことができます。

 

バーに入ってとりあえずロングカクテルを一杯飲んだ、じゃあ次はどうしようかな?という時に頼みたくなるカクテルですね。

 

柚子庵

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【材料】

スーズ  50ml

フレッシュ柚子ジュース  10ml

シャンパン  full up

抹茶砂糖 (スノースタイル)

 

【作り方】

シャンパングラスの縁を湿らせ、皿に平らにならした抹茶砂糖に押し付けてスノースタイルにする。

スーズと柚子ジュースをシェイクし、シャンパングラスに注ぐ。

その後にシャンパンを注ぎグラスを満たす。

 

渋谷のオーセンティックバー「石の華」の石垣忍氏考案のオリジナルカクテルです。

フランス製のスーズに日本固有の食材を調和させた独創的なレシピ。

 

まずスーズと柚子の相性が素晴らしいです。

カクテル界では「同じ色の材料同士は相性がいい」という言い伝えがあるのですが、スーズと柚子の場合も例に漏れずといったところ。

フレッシュな柚子の香りにシャンパンの芳醇な香りが調和し、リムに付けた抹茶の渋みが適度なアクセントを演出してくれる…。

非常に完成度の高いカクテルだと思います。

 

興味が湧いた方はぜひとも石の華でオーダーをするか、自宅で再現をしてみてください。

あなたにとって忘れられない一杯となること請け合いです。

 

 

さいごに

スーズは日本ではまだメジャーとは言えないお酒なのですが、とても美味しいので興味を持つ方が増えてくれれば嬉しいですね。

 

親しみの持てる味で飲みやすく、見た目も鮮やかなスーズ。

あなたもぜひ手に取って、楽しんでみてもらいたいと思います!

 

 

その他のハーブリキュールについては別記事でまとめてあります。

色々な味のものがありますので、あなたのお気に入りの一本を探してみてください!

 

www.green-alaska.com